「社会教育士」が誕生 社会教育主事の養成を見直し

文科省はこのほど、「社会教育主事講習等規定の一部を改正する省令」を公布し、各都道府県教委や大学などに通知を発出した。同規定の改正は2020年度から施行される。社会教育主事講習や、大学などでの社会教育主事養成課程の修得科目の見直しが行われるほか、講習や養成課程の修了者に付与される「社会教育士」の称号が新たに誕生する。

社会教育主事が、NPOや企業などと連携・協働しながら、社会教育事業の企画・実施による地域住民の学習活動の支援を通じて、人づくりや地域づくりの中核的な役割を担えるようにする。具体的には、地域課題や学習課題などの把握・分析や、学習者の特性に応じてプログラムを構築する学習環境設計、地域住民の自主的・自発的な学習を促す学習支援などの能力養成を目指す。

社会教育主事講習では、▽生涯学習概論▽生涯学習支援論▽社会教育経営論▽社会教育演習――を2単位ずつ修得する必要がある。受講者の負担を軽減するため、単位数はこれまでより1単位少ない計8単位となる。なお、これらの科目を修得後に名乗れるのは「社会教育士(講習)」となる。

大学の社会教育主事養成課程では、▽生涯学習概論 4単位▽生涯学習支援論 4単位▽社会教育経営論 4単位▽社会教育特講 8単位▽社会教育実習 1単位▽社会教育演習、社会教育実習、社会教育課題研究のうち1科目以上 3単位――の計24単位を修得する必要がある。これまで選択科目であった社会教育実習は、実務経験に乏しい大学生が、社会教育主事の職務の遂行に必要な実践的な能力を身に付けられるようにするため、必修化された。なお、これらの科目を修得後に名乗れるのは「社会教育士(養成課程)」となる。

例えば、「生涯学習支援論」では、学習支援に関する教育理論、効果的な学習支援方法、学習プログラムの編成、参加型学習の実際とファシリテーション技法などの内容を扱う。また、「社会教育経営論」では、社会教育行政の経営戦略や地域活性化、学習課題の把握と広報戦略、地域人材の育成、地域ネットワークの形成などの内容を扱う。「社会教育特講」では、人権や環境問題、博物館学、家庭教育など、多岐にわたる現代的な課題を扱う。

同規定の改正は、「社会教育主事養成等の改善・充実に関する検討会」などでの議論を受けたもの。

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