博士課程学生の4割「借金300万円超」 追跡調査結果

学生種別と博士課程修了時の借入金額
学生種別と博士課程修了時の借入金額

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)はこのほど、博士課程を修了した者を対象にした「博士人材追跡調査」の第2次報告書を公表した。博士課程修了時に借入金がある課程学生は全体の6割超におよび、4割はその額が300万円以上であることが分かった。修了後のキャリアパスの多様化も進んでおらず、経済的負担が重くのしかかる博士課程への入学者減少が懸念される結果となった。

同調査は博士課程への進学前から在籍中、さらに修了後の就業や研究状況を把握するために2014年から実施している。今回公表された第2次報告書では、12年度の博士課程修了者の3年半後と、15年度修了者の半年後の状況が明らかになった。

博士課程に対する満足度(15年度修了者)を学生種別に尋ねたところ、「とても良い」「まあ良い」と回答した割合は外国人学生(83.6%)、社会人学生(73.1%)、課程学生(67.1%)の順だった。外国人学生の満足度が高いのは、学費の全額免除の比率が高いことや、学位取得率の高さが影響していると同調査は分析。この結果を裏付けるように、外国人学生も社会人学生もそれぞれ8割以上が修了時に「借入金がない」と回答しているが、借り入れのない課程学生は4割に満たなかった。さらに課程学生の42.0%は300万円以上の借入金があると回答しており、支援のない課程学生にとって経済的負担の重さが大きな問題となっている。

12年度修了者の雇用状況をみると、アカデミア(大学・公的研究機関)が60%、民間企業が26.1%。博士課程修了1年半後と3年半後の状況を比較しても民間企業での雇用は増えておらず、アカデミアにおいても半数以上が任期制雇用であることが分かった。

博士課程の入学者数は03年をピークに16年度まで3千人以上減少しており、同研究所では追跡調査の実施を通じて、状況改善に資する政策につなげるとしている。