64カ国がデータ不足 「捕捉されない子供」5億人以上

ユニセフ(国連児童基金)は3月7日、報告書『SDGs達成に向けた子供たちのための前進(Progress for Children in the SDG Era)』を公表した。国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、子供や若者に関する取り組みを評価するために必要なデータが不足している国が、64カ国に上る実態が明らかとなった。こうしたデータ不足によって、捕捉されない子供は5億人以上いると警鐘を鳴らしている。

同報告書では、子供の保健や教育、暴力・搾取などからの保護、安全な環境、機会の平等のそれぞれに関して、グローバルな目標に対し、どれだけ下回るかの予測を行った。

それによれば、現在から2030年までの間に、▽1千万人の子供が、5歳になる前に予防可能な原因で死亡する▽3100万人の子供が、栄養不足による発育阻害になる▽2200万人の子供が、就学前教育を受けられない▽1億5千万人の女子が、18歳になる前に結婚する(児童婚)▽子供を含む6億7千万人の人々が、飲料水を得られない――という深刻な結果が示された。

さらに世界の64カ国で、こうした課題が改善しているかを評価できるデータがなく、さらにデータが存在する37カ国でも、前進が不十分であるとし、5億2千万人の子供たちがそうした国々で暮らしているために、事実上「数えられない」状況になっているとした。

報告書では、こうしたデータ不足の状況を改善するために、▽保健、教育、社会サービスなどを提供するシステムに、強固な計測方法を構築する▽全ての国が、子供に関する最低限のデータ収集を確実に実施するよう努める▽弱い立場にある子供たちを、プライバシーなどに配慮しながらも効果的に捕捉するなど、子供に関するデータについて、共有された強い規範を設定する――という三つの原則を掲げ、各国政府や国際社会が連携して取り組んでいく必要性を強調している。