30年へ向け教育改革提言 OECD日本人専門家が講演

2030年へ向けた教育改革を説明するOECDの田熊氏
2030年へ向けた教育改革を説明するOECDの田熊氏

OECD(経済協力開発機構)の教育・スキル局でシニア政策アナリストを務める田熊美保氏は3月11日、東京都文京区の東京大学福武ホールで、OECD諸国での教育改革を示す「OECD Learning Framework 2030」について講演を行い、「他者の決めたことに従うのではなく、自ら意思決定を行い、未来を形作れる子供を育てることが最重要のコンセプトだ」と話した。

「OECD2030年の教育プロジェクト 未来志向のカリキュラムデザイン」と題された講演では、急速な技術発展や環境の変化に伴い、未来の子供たちが不確実性の高い世界で生きなければならないことを指摘した。

その上で、現在の子供たちが2030年によりよい世界をつくるために必要なコンピテンシーとして、「経済的な豊かさではなく、教育や環境、健康面などを含む生活満足度を指標にしていく」と話した。

社会を生きる上で必要な基礎としては、読み書き、数的リテラシー、デジタルリテラシー、データリテラシー、健康の5つを挙げた。特にデジタルリテラシーとデータリテラシーは、2030年の社会に必要な基礎的能力だと指摘した。

さらに、新しい社会をつくるコンピテンシーとして、「新たな価値を生み出す」「責任をとる」「緊張や葛藤の折り合いをつける」ことを挙げ、「知の習得から知の活用へと進み、さらに知の創造を目指す必要がある」と語った。

現在、これらの資質・能力をどう教育カリキュラムに取り入れるか、各国と話し合っているという。