新学習指導要領とICT 情報化推進フォーラム開催

活発な議論が展開されたパネルディスカッション
活発な議論が展開されたパネルディスカッション

(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)主催の2017年度の「教育の情報化推進フォーラム」が3月9、10の両日、都内で開催された。「新学習指導要領とICT」をテーマに、教育関係者を対象とした講演やワークショップ、調査や実践事例報告などが行われた。

10日には、東原義訓信州大学学術研究院教育系教授が「対話的な学び、深い学びにICTをどう役立てるか」をテーマに講演した。

とりわけ「深い学び」に着目した内容で、その中で東原教授は「深い学びを実現するためには、知識・技能の構造化と再構成が重要。それがなく討論や対話といった学習活動を行っても、主体的・対話的で深い学びにつながらない」と指摘した上で、「知識・技能の構造化と再構成には、振り返ることや思考のプロセスを可視化すること。深い学びを実現するには、そのような環境を教育現場に作ることが重要だ。ICTはそれらのことを、ワクワク感をもって効果的に行える特性と強みがある。教員・教材と並び、ICT環境整備は不可欠な条件整備と言え、深い学びの実現に果たす役割と期待は大きい」と述べた。

総括として行われたパネルディスカッションは、同会の赤堀侃司会長がコーディネータをつとめ、「社会に出て求められる資質・能力」をテーマに議論が行われた。

将来、多くの職種において、AIが仕事を代用することが予想される中、それらの社会に対応し、将来の仕事を作り出せる人材をどのように育成していくか。小中一貫校、高校、大学、企業、さまざまな立場のパネリストから意見が出された。

「まとめ・振り返りが重要」「積極的熱意」「挑戦する姿勢」「総合力としての生きる力を身に付ける」「自身が課題・問題を探し解決する」「思いやりと好奇心」「知見・ビジョン・価値観の共有」――など、新学習指導要領で求められている内容に一致する意見が多かった。

まとめで、赤堀会長は「『生きる力』に必要なコミュニケーション能力や創造力などの汎用的能力は、社会に出て求められる資質・能力。それらを育むには、核となる基礎知識・基礎学力ありきで、学校の学びを社会に接続できる仕組みを考えることが重要だ。その橋渡しになるのが、道具であればICTだし、能力で言えば情報活用能力」と結んだ。