中・高の運動部の約7割が勝利を目標 生徒の志向とズレ

所属する部活動と生徒自身の志向の違い(笹川スポーツ財団「12~21歳のスポーツライフに関する調査」2017を一部改編)
所属する部活動と生徒自身の志向の違い(笹川スポーツ財団「12~21歳のスポーツライフに関する調査」2017を一部改編)

笹川スポーツ財団は『4~21歳のスポーツライフに関する調査報告書』の発行に伴い、3月13日に東京都港区の日本財団で記者会見を開いた。中学生、高校生の運動部活動の実態や志向性が明らかとなった。約7割以上の運動部活動が勝利を目標にしており、生徒自身の志向とのズレも指摘された。

同調査は、全国の市区町村に在住する4~11歳の子供2400人、12~21歳の青少年3000人を抽出し、訪問留置法による質問紙調査を実施した。有効回収数は前者が1573(65.5%)、後者が1636(54.5%)だった。運動やスポーツの実施状況、スポーツ観戦、好きなスポーツ選手やスポーツボランティアなどを聞いた。

運動部活動の加入率は、▽男子中学校期 74.2%▽男子高校期 60.7%▽女子中学校期 55.2%▽女子高校期 35.4%――だった。

平日の運動部活動の1日あたりの活動時間をみると、中学校では、「2時間以上3時間未満」が最も多く60.9%、次いで「3時間以上4時間未満」が26.9%だった。高校では、「2時間以上3時間未満」が40.8%、ほぼ同じ割合で「3時間以上4時間未満」が40.4%、「4時間以上5時間未満」も10.5%あった。

土日の場合、中学校では「4時間以上5時間未満」が33.8%、次いで「3時間以上4時間未満」が26.4%だった。高校では「3時間以上4時間未満」が35.6%、次いで「4時間以上5時間未満」が22.7%だった。「7時間以上」も11.6%あった。「土日とも活動している」のは、中学校で47.4%、高校で56.4%、「土日のどちらか1日は活動している」のは、中学校で47.1%、高校で36.7%だった。

生徒による運動部活動の実感では、「体力が付いた」「スポーツが楽しい」「友達と交流できて楽しい」で、中高共に5割を超えた。その一方で、部活動の悩みや不安に関しては、「疲れがたまる」「休日が少なすぎる」「遊んだり勉強する時間がない」などが2割を超えた。

調査では、所属している部活動の志向性についても聞いた。中学校では▽厳しく徹底して勝つことを目指している 30.7%▽どちらかといえば勝つことを目指している 46.9%▽どちらかといえば楽しく活動することを目指している 16.5%▽勝ち負けよりも楽しく活動することを目指している 6.0%――だった。高校では、▽厳しく徹底して勝つことを目指している 44.1%▽どちらかといえば勝つことを目指している 36.6%▽どちらかといえば楽しく活動することを目指している 14.1%▽勝ち負けよりも楽しく活動することを目指している 5.3%――だった。部活動への生徒自身の志向性と比較すると、生徒自身の方が楽しく活動する割合が高く、中学校で12.7ポイント、高校で6.4ポイントの乖離がみられた。

同調査委員会委員長の海老原修横浜国立大学教授は「(過去の調査では)活動している子供自身の考え方や実情へのアプローチが欠けていた」と指摘し、部活動の方針と子供の認識のズレが、子供の運動時間の感じ方などに影響を与える可能性があるとした。