高校生1万人調査 LGBTの60%、いじめ被害を経験

LGBTのいじめ被害状況を報告する日高教授
LGBTのいじめ被害状況を報告する日高教授

三重県の高校生1万人を対象にしたセクシュアリティに関する調査で、性的少数者(LGBT)の約60%がいじめ被害の経験を持っていることが3月19日、県男女共同参画センターと宝塚大学看護学部の日高庸晴教授による共同研究のアンケートで分かった。

日高教授らは、同県立高校2年生を対象に無記名の調査用紙を配布し、全日制10063人から有効回答を得た。高校2年生が対象となった理由について、日高教授は同日の会見で、「性的指向をはっきりと自覚するのが17歳という先行研究がある」と話した。

日高教授によると、LGBTの割合は1003人(10.0%)だった。このうち508人は、心の性を決めていない、分からないと回答した。

自己否定に関して聞いたところ、LGBT当事者は非当事者に比べて自己肯定感が弱い傾向にあることが判明した。自傷行為の経験がある割合は、非当事者の12.0%に対し、LGBT当事者は31.7%と2.6倍も多かった。

いじめ被害に関して聞いたところ、LGBT当事者の61.4%は、持ち物を隠されたり、仲間外れにされたりするなど、何かしら経験があった。オカマ・ホモ・レズなどと言われたほか、無理やり服を脱がされるなどした人もいた。

学校に安心できる場所があるか聞いたところ、非当事者の56.6%が「そう思う」と回答したのに対し、LGBT当事者では36.9%にとどまった。一方、「そう思わない」との回答は、LGBT当事者が23.7%、非当事者が11.6%となり、両者の間に2倍以上の開きがあった。

力になってくれる友人や先生がいるか聞いたところ、LGBT当事者は、「そう思う」が46.8%、「そう思わない」が11.5%、「わからない」が36.3%、無回答が5.5%だった。

日高教授は「今までの国内研究では明らかにされていなかった実態を把握できた。三重県だけの問題と捉えるのではなく、今回の結果をそれぞれの自治体に置き換えて取り組んでもらえるよう、働きかけていきたい」と話した。

今回の調査結果を受け、同県教委人権教育課は「性的少数者が過ごしやすい学校環境づくりや人権学習の充実をより進めていきたい」と話した。