医療的ケアで方針 保護者・医師との役割分担を明確化

中間まとめに向け、これまでの議論が整理された
中間まとめに向け、これまでの議論が整理された

文科省は3月19日、「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」の第4回会合を開き、学校における医療的ケアの実施体制の在り方などで、各教委・団体の取り組みの発表や中間まとめに向けた議論の整理を行った。医療的ケアについて、教委によるガイドラインの策定や、学校・教委と、保護者、医師との役割分担を明確化する方針が示された。

委員の一人であり、全国特別支援学校長会副会長・全国特別支援学校肢体不自由教育校長会長の田村康二朗東京都立光明学園校長は、同会が独自に実施した調査で、肢体不自由の特別支援学校で、医療的ケアの対象となる児童生徒の割合は、▽小学部=34・9%▽中学部=29・5%▽高等部=24・1%――に上り、中には40%に及ぶ学校もあると指摘。各都道府県で医療的ケアの判断や実施者、宿泊学習などの学校行事の対応などで差があり「保護者の転勤による他県の特別支援学校への転校などで、以前は学校で対応していた医療的ケアが、転入後の学校ではできないといった声もある」と報告した。

特別支援学校が置かれた現状から、▽医療と教育の責任分担を明確にした上で、共通理解を図る▽国や教委によるガイドラインを策定する▽対応可能な医療的ケアの範囲を毎年改訂する▽学校行事等では、対応範囲の整理や人材の確保を行う――などを提案した。

これまでの同会議の議論の整理も行われた。その中では、教委や学校、主治医、保護者の責任と役割を明確にし、連携や関係構築を図りながら、適切に役割分担をする必要性が示された。具体的に、学校と保護者との連携協力では、▽学校があらかじめ障害の特性や病状に関する説明を受ける▽保護者は、子供の健康状態がすぐれない場合は、無理な登校を控える▽緊急時の連絡手段を確保する――などが挙げられた。また、保護者の付き添いの協力を得る場合でも、本人の自立を促す観点から、必要と考えられる範囲に限るべきだとした。

また、教委は医療的ケアに対する重要事項を検討し、▽看護師の配置▽医療的ケアを行う看護師と教職員との連携▽ヒヤリ・ハット事例の蓄積・検証――などの項目からなるガイドラインを策定し、学校においても、同ガイドラインを踏まえた安全確保のための措置を講じた実施要領を策定するよう求めた。

同会議では、議論の整理をベースに、次回会合で中間まとめ案の検討を行う。また、この日の会合では、新たに看護師向けの研修資料の作成や教職員向けの研修資料の改訂なども提案された。