いじめの限定解釈や認知漏れ 総務省が調査踏まえ文科などに勧告

総務省は3月16日、いじめ防止対策の取り組みをめぐり、文科・法務両省に対して勧告を行った。自殺などの重大事態が発生した学校や教委を対象に、その調査報告書の分析や、学校・教委などへの実地調査の結果を踏まえて行ったもの。いじめ防止対策推進法の定義とは異なる要素があることから、いじめを限定解釈した学校や、そのような解釈の適用によって「認知漏れ」となったケースがあったとし、文科省に、同法のいじめの定義を限定解釈しないように周知徹底を図るよう求めた。

総務省が、自殺などの重大事態に関する37自治体の66事案・67調査報告書から、学校などの対応の課題を整理・分析したところ、「本人が『大丈夫』と言えばいじめではない」などと、いじめの定義を限定解釈しているケースが37事案(56%)あった。さらに、アンケートで「いじめがある」という回答があったにもかかわらず、具体的な対応の取り決めがなかったために活用されなかったのも18事案(27%)存在した。

さらに学校への実地調査からは、▽いじめの認知件数に学校間差があると認識している 60教委中46教委(77%)▽いじめの定義について、継続性や集団性の要素などから限定解釈している 249校中59校(24%)▽児童生徒間のトラブルとして取り扱い、いじめの認知に至らなかったとする169校、389事例のうち、いじめの定義とは別の要素がないとして、認知しなかった例(「認知漏れ」) 32校、45事案(12%)――など、いじめの正確な認知が行われていない実態が浮き彫りとなった。

教委への実地調査からは、同法に基づく報告体制が徹底されていない状況も明らかとなった。重大事態の発生や調査結果を首長へ報告していなかったり、調査報告書そのものを作成していなかったりするケースもみられた。

関係する行政機関の対応の問題も指摘された。法務局に寄せられたいじめの相談に対して、学校側と調整を行い、再発防止ができた例がある一方、「学校に相談したがいじめが改善しない」という相談に、「再度、学校に相談」を促すだけだった例が2事案あった。

総務省では、文科省に対し、▽いじめの正確な認知に向けた取り組みの推進▽同法のいじめの定義を限定解釈しないよう各学校への周知徹底を図る▽重大事態の発生報告などの措置を確実・適切に講ずるよう教委などに周知徹底を図る――ことなどを勧告。法務省に対しても、いじめ相談事案を解決する上で効果的な措置を徹底するよう勧告した。

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