世界の教員、ドバイに集う “教育と学校の未来”を議論

ドバイで開かれた「Global Education & Skills Forum 2018」
ドバイで開かれた「Global Education & Skills Forum 2018」

世界各国の教育関係者らが集う教育の祭典「Global Education & Skills Forum 2018」が3月17、18日、ドバイで開かれた。教員ら延べ約2800人が参加。トニー・ブレア前英首相、ニコラ・サルコジ元仏大統領、アル・ゴア元米副大統領ら各国のリーダーと、女優のシャーリーズ・セロンさんら大勢のゲストも出席した。2日間で120以上のセッションが行われ、貧困国の子供の教育機会確保や、“教育と学校の未来”を参加者らが議論した。(ドバイ=教育新聞編集部長 小木曽浩介)


同フォーラムは英国の非営利教育団体「バーキー財団」が主催し、2013年から毎年開催。今年は「2030年以降の世界の若者のために、われわれはどう準備すべきか」が中心テーマで、同財団CEO(最高経営責任者)のビカス・ポタ氏は開催に当たり、「若者は人口のわずか27%にすぎないが、彼らが私たちの未来の100%であることを忘れないようにしよう」と呼び掛けた。

オープニングは、わずか5歳でシエラレオネの少年兵にされたモハメド・シディベイさんの講演。「子供時代の思い出が笑い声か、銃声かでは大きく違う。私は14歳のときに逃げ、保護されて、幸運なことに高い教育を受けられた。読み書きを覚えたとき、私は最もパワフルな気持ちになった」と、教育を受け人生が好転したと語った。

そして、「しかし大勢の子供が、まだその機会がないままで今もいる。地球上の子供全員が、教育を受けられること。それが未来だ」と力を込めた。

グローバル・ティーチャー賞トップ10によるトークセッション
グローバル・ティーチャー賞トップ10によるトークセッション

中心テーマについてのトークセッションでは、サニー・バーキー同財団会長、ジュリア・ギラード元豪首相らが未来の教育について討論。

「教師はロボットに置き換えられることはない。インスピレーションやモチベーションを子供に与えることは、ロボットにはできない」「教育が可能にすることがある。教育機会を与えられないと、未来の全てを失う子供たちがいる。教育は人々に力を与える。ライフルではなく、教科書を持たせよう」など、考えを述べ合った。

米国で相次ぐ、学校での銃乱射事件も問題として取り上げられた。米フロリダ州の高校で起きた銃撃事件で、生き延びた生徒3人が登壇。事件発生時の恐怖と、亡くなった教員や同級生らの無念さ、怒りを述べるとともに、「銃を所持する権利は、合衆国憲法ができるより前の、昔の考えだ。200年以上たった現代では、命を守る権利、自由を守る権利は異なる。会場にいる皆さんは、影響力がある。私たちの声を反映させてほしい」と力強く訴えた。

そして会場プロジェクターに「Never Again」の文字が映され、参加者全員で、同校はじめ、過去の学校銃乱射事件の犠牲者に黙とうをささげた。

滋賀県立米原高校の堀尾美央教諭ら、グローバル・ティーチャー賞のトップ50に選ばれた各国の教員らも出席。全員に大きな拍手が送られた。また同賞を選出する最終ステージまでに、トップ10の教員らによるトークセッションや模擬授業が行われた。

開催中は他にも、「21世紀型スキル」を教える有効性を問う裁判形式の討論会や、AIやロボットが教育をどう変えるかといったテーマの講義など、多彩なセッションが行われた。


主なセッションの内容や、堀尾教諭によるリポートなどは、近く教育新聞電子版「クローズアップ」などでお伝えする。