直販で制服価格を2割安く ネット注文システムも開発

新しい制服の流通システムによる成果を説明する藤原校長
新しい制服の流通システムによる成果を説明する藤原校長

奈良市立一条高校の藤原和博校長と制服メーカーの瀧本(株)は3月20日、文科省で記者会見を開き、同校で来年度から新調する制服について、直販による流通システムを導入し、制服の価格を従来のものより2割程度安くできたと発表した。同社は今後、同校の生徒と協力して、ネット通販のようにスマホなどから注文できるシステムも開発する。

同校では、2年以上をかけて、生徒らも交えて制服のリニューアルについて検討を重ねてきた。新しい制服は、LGBTなどのジェンダーに配慮し、男子生徒用、女子生徒用ではなく、AタイプとBタイプと呼称。性別に関係なく選べるようにした。

一般的な制服の流通経路では、メーカーと学校の間に地域の小売店などの販売業者が入るが、同校では、メーカーから直接制服を購入するようにし、価格を低く抑えた。販売業者は、細かな修理などの個別対応フォローを行う。上着、ボトムス(春/夏)シャツ(長袖/半袖)の5点セットで比較した場合、従来は男子で税込み4万7550円、女子で同5万1950円だったのが、新しい制服では、スラックスのAタイプが同3万7550円、プリーツスカートのBタイプが同4万1950円と、それぞれ1万円の値下げを実現した。

同社ではスマホなどから制服の採寸や注文ができるシステムの開発にも着手する。より使いやすいユーザーインターフェースとするために、同校生徒も協力し、再来年度入学生からの本格導入を予定する。同校で配布している生徒のIDとひも付けし、ネット通販のように、インターネット上で購入者がサイズを選択できるようにし、クレジットカードや口座振り込みなどの支払いにも対応する。採寸や現金による代金支払いなどの業務を減らすことで、学校の負担軽減にもつながる可能性がある。

藤原校長は、卸売業者による採寸など、制服の購入方法の在り方を批判。「感覚として制服は高い。量産品と違って多品種少量生産ではあるが、だからといって安くならない理由にはならない」と話し、保護者や校長に制服への認識を変えるよう求めた。

流通側も、新しいシステムによって従来システムから脱却し、生き残りを図ろうとしている。同社の寺前弘敏執行役員副本部長は「少子化で生徒数は減り、メーカーや販売店などでも従業員が高齢化しており、採寸などへの人員を割くのが難しくなっている」と、業界の厳しい状況を指摘。小売店に対しても「きめ細かなアフターフォローを行う地域の電気屋さんのように、学校、メーカーと協力し合えるような新しいスタイルを作っていかないと生き残れない」と理解を求めた。