学校卒業後の障害者の生涯学習 有識者会議が初会合

障害者のための生涯学習の重要性を語る宮川大臣政務官
障害者のための生涯学習の重要性を語る宮川大臣政務官

文科省は3月20日、「学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議」の初会合を開いた。障害者に求められている学習プログラムや実施体制等の在り方を検討するとともに、一般的な学習活動への障害者の参加促進や、指導者、コーディネーター、ボランティアなどの育成・確保に向けた議論も行い、障害者の学習機会の全国的な整備を推進するのが目的だ。

会議の冒頭、宮川典子文科大臣政務官は「障害者が学校を卒業すると、学校で身に付けた能力が落ちてしまう残念な現状がある。本来であれば、能力をもっと開発すれば、できることももっと増えていくはずだ」とあいさつ、障害者が社会に出た後も、継続してさまざまな学びやスポーツ、芸術活動などの生涯学習の機会の重要性を強調した。

同会議の委員は、特別支援教育や障害者団体などの関係者14人で構成され、座長には全国特別支援教育推進連盟理事長の宮﨑英憲東洋大学名誉教授、副座長には、全日本特別支援教育研究連盟理事長の松矢勝宏東京学芸大学名誉教授が就任した。

同会議では、学校を卒業し、社会への移行期に必要なものとして、学校段階で身に付けた資質・能力の維持・開発や、社会生活体験、職場実習などを、ライフステージで必要な内容として、ITスキルや家庭生活、金銭管理、職業スキルなどを重視し、自立して生きる基盤となる力や人生を豊かにする上で必要なスポーツ、文化、教養などを身に付けられるようにする。

国立特別支援教育総合研究所が都道府県や市区町村、全国の特別支援学校を対象に今年度実施した「障害者の生涯学習活動に関する実態調査」によれば、障害者の生涯学習活動に関する組織が「ある」と答えた都道府県は5・7%、市区町村では4・1%にとどまった。障害者の参加を想定して、アクセシビリティなどを考慮した事業・プログラムを提供しているのは、▽都道府県=42・9%▽市区町村 =11・0%▽特別支援学校主体=7.5%▽特別支援学校で、社会教育関係団体等が主体で実施するもの=6・2%――となるなど、取り組みは低調な状況が明らかとなった。障害者本人や保護者からは、「学び対意欲はあるが、その場がない」「社会参加につながる機会を拡大してほしい」といったニーズが上がった。

同省では、2017年4月、生涯学習政策局に障害者学習支援推進室を設置。当時の松野博一前文科大臣は「特別支援教育の生涯学習化に向けて」というメッセージを発出した。来年度予算案でも、「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」として、新たに約1億円を計上するなど、障害者の生涯学習の推進に向けた取り組みを始めている。

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