複数免許の取得でヒアリング 学生の負担増を懸念

複数免許の取得や採用を積極的に進める大学・教委にヒアリングを行った
複数免許の取得や採用を積極的に進める大学・教委にヒアリングを行った

文科省は3月22日、「免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議」の第3回会合を開いた。大学での複数免許の取得と、教委での複数免許を持つ志望者の採用を、積極的に実施している事例についてヒアリングを行った。免許外教科担任を解消したいという採用側のニーズがある一方で、学生の負担増加や大学の時間割の複雑化などが懸念として挙げられた。

千葉大学教育学部の中学校教員養成課程では、2004年度から「第2免許制度」を導入している。例えば、国語科教育分野に在籍する学生は、中学校国語科の1種免許に加え、別の教科の2種免許の取得も卒業要件として必須になっている。

また、信州大学教育学部の学校教員養成課程では、小学校と中学校の教員人事の交流が盛んで、中山間地域の小規模校を多く抱える長野県の特性を踏まえ、各教科コースの学生には、小学校と中学校の1種免許の取得を、卒業のための必須要件としている。中学校などで二つ目の免許を取得する場合には、理科、音楽、美術、保健体育で、各科目の基礎学力や技能を確認する試験を課したり、英語の場合はTOEICなどの外部資格の要件を設けたりしている。

大学が、複数の教員免許取得の環境を整備する背景には、各都道府県教委など、採用側のニーズの高まりがある。同省の調査によれば、18県政令市で、中学校または高校の教員採用試験で、複数教科の免許状保有による加点を実施しているほか、特別選考や大学推薦を行っている自治体がある。

千葉県では、中学校の「技術」「家庭」「美術」で免許外教科担任の割合が高く、15年度でみると、その3教科だけで免許外教科担任の許可件数の約7割を占めている状況があった。そのため、千葉大と連携して現職の教員を対象に、「技術」の免許を4年間で取得できる免許法認定講習会を開催したり、17年度の教員採用試験から、同3教科のいずれかの免許状とそれ以外の教科の免許状を持つ志望者を対象に、特別枠での選考を導入したりしている。

長野県では、13年度から、信州大をはじめとする複数の大学に推薦枠を設けた。その基準の一つとして、小・中の免許状の両方の取得に加え、中学校での「音楽」「美術」「保健体育」「技術・家庭科」の免許の取得を掲げる。

その一方で、学生の負担増加や、大学の時間割編成への対応も課題になっている。千葉大では、二つ目の教科の選択では、定員などの関係から、第2希望までの段階で決まらない学生がいたり、単位取得に苦しんだりする学生がいるのが課題となっている。信州大でも、時間割編成や教室の確保などで、確実な履修が可能となるような工夫を行って対処しているという。

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