8億4千万人が清潔な水使えない 「水の格差」報告書

水を利用できる人の割合が最も少ない国トップ10
水を利用できる人の割合が最も少ない国トップ10

家から一番近い水くみ場まで30分、女性は1年のうち2カ月半を水くみに費やす――。国際NGOウォーターエイドは3月21日、国連が定める「世界水の日」(3月22日)に向けて、世界の水の状況を分析した報告書「水の格差」を発行した。持続可能な開発目標(SDGs)の採択から2年が経過してなお、8億4400万人が清潔な水を利用できない現状が明らかになった。

統計では水源の種類に加え、水源まで往復30分以上かかる場合を「清潔な水を利用できない状況」と定義した上で「水を利用できる人の割合が最も少ない国」の上位10国を示した。1位は紅海に面したエリトリアで、自宅近くで清潔な水を使える割合(以下カッコ内の数字)は人口の19%にすぎなかった。2位はパプアニューギニア(37%)、3位ウガンダ(38%)と、いずれも難民問題を抱える開発途上国が続く。9位のニジェール(46%)はサハラ砂漠に位置する内陸国で、世界で最も人口増加率の高い国のひとつでもあるが、貧富の差が大きく、富裕層は71%が清潔な水を利用できる一方、貧困層は41%と、30%もの開きがあった。

報告書は、水へのアクセスが困難な地域では健康が損なわれ、水くみに毎日何時間も費やす生活が十分な収入確保の妨げになっていると警鐘を鳴らしている。さらに、水くみの仕事をほとんど女性や女児が担っている点も、ジェンダーの格差を助長すると指摘。こうした問題の解決に向け、▽国連のグローバル目標実現の認識を高める▽政治、社会、水・衛生業界が一体となって緊急に対策を講じる▽財源を確保する――などを提言している。