「垣根の低い相談窓口ができる」 いじめ対策協が報告書

髙橋局長に報告書を手渡す森田座長(左)
髙橋局長に報告書を手渡す森田座長(左)

いじめ防止対策協議会は3月28日、「SNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方」とする報告書を取りまとめ、同協議会座長の森田洋司鳴門教育大学特任教授が同日、髙橋道和文科省初等中等教育局長に手渡した。報告書では、SNSを活用した相談窓口の留意点をまとめている。森田教授は「事業者や民間団体も加わって、本格実施に向けた議論を重ねた。まだ試行段階ではあるが、子供たちにとって垣根の低い相談窓口ができる」と成果を語った。報告書は、SNSを活用した相談窓口の全国展開に向け、各自治体の指針としての役割が期待される。

子供たちのための相談窓口には、音声通話による24時間子供SOSダイヤルなどがあるが、スマートフォンの普及などで、若年層の主要なコミュニケーション手段はSNSにシフトしている。これを受け、長野県などの一部自治体ではSNSによる相談窓口を導入し、一定の成果を上げた。文科省でも今後、複数の自治体でSNSによる相談窓口の実証を行い、全国展開に向けた検討を行う。

報告書では、SNSなどを活用した相談窓口の在り方に関する留意点が示された。相談受付は、子供が相談しやすい平日午後5~10時の間や、長期休業明け前などを想定しているが、緊急性の高いものは24時間体制で受け入れたり、子供相談ダイヤルの利用を促したりする。

SNSからの相談を音声通話に切り替えるのは、相談者にとって敷居が高くなる恐れも指摘された。このため、自殺する可能性がある時などの緊急時には、相談員はSNS上で相談者の話を傾聴し、落ち着かせた後、了解を得た上で音声通話に切り替えるか、SNSでの相談を継続するなどの対応が求められるとした。

SNSによるコミュニケーションに精通した相談員の養成も課題で、これまで相談業務に従事してきた臨床心理士や教員経験者などと、大学生を組み合わせた相談体制の整備が効果的であるとされた。また、相談員の負担軽減を図る必要もあるとされ、相談員同士での事例の共有や、相談員に助言を行うスーパーバイザーの配置、1人の相談員が複数の相談に同時対応できる方策なども考えられるとした。