「未来の教室」実現へ議論 リーダー人材育成を検討

経産省は3月28日、創造性や課題解決力、科学技術を重視した教育改革を議論する「『未来の教室』とEdTech研究会」の第2回会合を開いた。検討状況を整理した同省教育サービス産業室は、学習者中心の豊かな教育社会システムの構築に向け、学校現場におけるリーダー人材の育成・確保、多様な専門性を有する人材の確保を検討すべきとする内容の中間論点整理を行った。

会合の冒頭、受託事業者のボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は、海外の教育改革とEdTechに関する動向を報告した。

BCGによると、中国はSTEM教育を中心に据えた新しい学び方の普及を目指し、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる新興都市・深センや上海で、STEM教育の実験校を多数設置している。

シンガポールでは、中学受験の段階で上位10%の優秀層については高校受験が免除され、科学や数学をはじめ本質的な学びを深めるようカリキュラムを組めるようになっているという。

さらに、人工知能(AI)に関する専門人材の育成を学校に推奨したり、学力向上・テクノロジー・人間性教育のバランスをとった授業づくりを行ったりしている。

またイスラエルでは、早期からのSTEM教育の充実を掲げ、企業と組んで「科学技術幼稚園」が設立されているという。

これに対し、埼玉県戸田市教委の戸ヶ崎勤教育長は、知・徳・体のバランスを特徴とする日本の教育の強みに、海外の良さを取り入れる方法を検討するべきだとの見解を示した。

会合では、検討状況を整理した中間論点が示された。同省教育サービス産業室は、日本は「課題先進国」といわれる一方、「課題解決先進国」とは言いにくい状態だとして、課題を解決に導ける人材の育成に向け、議論を深めていくべきだとした。

こうした見解を示した上で、学習者が自ら学びを選び取れる環境づくりが求められるとした。さらに現状においても、学校現場は校長が変われば相当状況は良くなるはずだと述べた。

オブザーバーとして出席した梅村研文科省情報教育課長は「経産省が研究した成果を受け止めながら、課題を整理して問題の把握に努めたい」と話した。