自宅外通学の学生は1日817円で生活 2番目に低い水準

調査結果を説明する東京私大教連のメンバー
調査結果を説明する東京私大教連のメンバー

東京地区私立大学教職員連合組合(東京私大教連)は4月4日、文科省で記者会見を行い、2017年度に私立大学に入学した新入生の家計負担調査の結果を発表した。

自宅外通学をしている学生では、入学年の受験費用や住居費などの費用が保護者世帯の収入の3分の1を占めていた。また、毎月の仕送り額の平均は8万6100円で、昨年度の8万5700円に次ぐ過去2番目に低い水準となった。家賃を除く1日あたりの生活費は817円で、アルバイトなしでは厳しい学生の生活実態や家計負担の増大が浮き彫りとなった。

関東地方1都5県にある16私立大学・短大に、17年度に入学した学生の保護者を対象にアンケートを行い、4575件を回収した。有効回答は4554件。同組合による調査は、83年度から毎年実施しており、新入生の家庭に対象をしぼってから、今回で33回目となる。

自宅外通学者の入学年にかかる費用の平均は296万6516円で、前年度と比べ1.2ポイント増。受験費用や住居費、仕送り額で増加した。自宅外通学者の保護者の世帯税込年収は900万9000円で、年収の32.9%をこれらの費用が占めている。

仕送り額の平均は、入学直後の新生活や教材の購入などで費用がかさむ5月が10万1500円、出費が落ち着く6月以降の月平均額が8万6100円で、いずれも最低だった昨年度より、わずかながら増加した。6月以降の月平均の仕送り額は、ピークの94年度から3万8800円、31.1%減少している。

入学費用を借り入れた家庭は17.9%で、割合としては横ばいだったが、借入金額は197.5万円となり、昨年度より15万円増加した。アンケートでは、私立大学の授業料に対する国からの直接助成制度を89.0%の保護者が「必要あり」と回答した。自由記述からは、「教育費がかなり負担になっている。給付金や奨学金など、もっと支援してほしい。保育園や幼稚園、高校などの支援ばかり不公平だ」「年間にかかる教育費(大学授業料)が大きすぎる。生計所得が伸びず、子供にかかる費用が年々増大し、貯蓄するどころか貯蓄を切り崩し、少しでも奨学金にたよらない策を模索している。子の学習したい希望に沿うように、親子で必死に努力しているのが現状」といった声が寄せられた。

同組合副中央執行委員長の大野裕之東洋大学教授は「借入金の負担が大きくなり、大学への進学をあきらめかねないぎりぎりの数字だ。これをないがしろにしていては、国の成長戦略などありえない。学びたい人が大学で学べ、労働の質を高めていく必要がある」と話した。