生徒の英語力が上昇するも 高校の学科間で大きな差

高校では学科によって英語力の差が大きい
高校では学科によって英語力の差が大きい

文科省は4月6日、2017年度の英語教育実施状況調査の結果を公表した。次期学習指導要領の公示などを踏まえ、全国の公立小・中・高校などの英語教育の具体的な施策状況を調査した。生徒や教員の英語力は中学・高校共に前年度より上昇したものの、政府目標は達成できなかった。特に、高校生の英語力では、学科間で大きな差がみられた。

小学校5・6年生で外国語活動を実施しているのは6万7987学級で、全体の91.9%、教科としての外国語を実施しているのは5964学級で、8.1%だった。英語の専科教員が担当するのは3164学級、中学・高校の教員が担当するのは562学級あった。

中学校3年生の生徒でCEFRのA1レベル以上に相当する実用英語技能検定(英検)3級以上を取得している生徒は22.0%、資格検定試験は受験していないが、英検3級以上相当の英語力を有すると思われる生徒は18.7%だった。合計は40.7%となり、前年度と比べ4.6ポイント上昇した。

高校3年生では、CEFRのA2レベル以上に相当する英検準2級以上を取得している生徒は15.0%、英検準2級以上相当の英語力を有すると思われる生徒は24.3%、両者の合計は39.3%となり、前年度より2.9ポイント上昇した。学科別では、▽普通科 50.5%▽専門教育を主とする学科 13.4%▽英語教育を主とする学科 93.4%▽国際関係に関する学科 84.5%▽総合学科 18.3%――で、学科によるばらつきが顕著に表れた。

授業で教員が「発話をおおむね英語で行っている」「発話の半分以上を英語で行っている」の合計割合をみると、中学校では▽中1 70.1%▽中2 68.4%▽中3 67.5%――となり、いずれも前年度より5ポイント以上高くなった。高校では▽「コミュニケーションⅠ」 60.4%▽「コミュニケーションⅡ」 54.8%▽「コミュニケーションⅢ」 42.0%――となった。

スピーキングやライティングなどのパフォーマンステストを実施しているのは、中学校で96.9%、高校普通科では63.5%だった。「コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」では、前年度より5ポイント以上、実施率が高まった。

教員の英語力をみると、小学校の教員で、中学校英語や高校英語の免許状を所有しているのは1万8801人で、全体の5.4%。英検やTOEFL、TOEICなどの外部試験でCEFRのB2レベル以上のスコアなどを所得している割合は、中学校教員で33.6%、高校教員で65.4%だった。いずれも調査を開始した13年度以降上昇している。海外の学校や研修施設などへの留学経験がある教員は、▽小学校 5.5%▽中学校 56.8%▽高校 55.1%――だった。

ALTが活用されている授業時数の割合は、▽小学校(5・6年生) 62.4%▽中学校 21.9%▽高校 10.8%――で、いずれも前年度より上昇した。ただし、ALTの活用総数は▽小学校 1万2912人(前年度比 498人増)▽中学校 7617人(同95人減)▽高校 2676人(同166人減)――となった。

第2期教育振興基本計画では、生徒の英語力として、中学校卒業段階で英検3級程度以上の達成割合を50%、高校卒業段階で英検準2級程度以上の達成割合を50%、教員の英語力として、英検準1級程度以上を取得する割合を、中学校で50%以上、高校で75%以上とする目標をそれぞれ掲げていた。