4割が「学校業務が妊娠に影響」 背景に教員の多忙化

労働環境による妊娠・出産への影響
労働環境による妊娠・出産への影響

日本教職員組合はこのほど、組合員を対象に、生理休暇や妊娠・出産への業務の影響などを調査した「権利行使に関する調査報告書」を公表した。女性組合員への調査では、休暇を取得したくてもできないという回答が、生理休暇で3割、妊娠に伴うつわりなどを理由にした休暇で2割に上った。さらに、学校業務が妊娠や出産に影響したという声も4割あった。その背景には、学校現場の多忙化や、体を動かす仕事が多く、代わりの人が確保しにくいなど、学校の働きにくい職場環境の問題が見えてくる。

全国の同組合員を対象としたウェブ調査で、2万2724件の回答があった。性別構成は男性が36.5%、女性が63.1%。

生理休暇を「知っている」割合は、年齢が高い層で多くなっており、女性の40代以上、男性の50代以上では9割を超えている一方で、29歳以下では、女性の24.7%、男性の49.7%が「知らない」と回答した。女性組合員を対象に、生理休暇の取得状況を聞くと、取得している割合は15.0%にとどまり、「取得したいが取得できない」が28.7%を占めた。

取得できない理由に関する自由記述では、「休暇を取ると他の職員の負担になる。休暇を取った方が後の仕事に支障がある」「やらないといけない仕事がたくさんあって、つい我慢してしまう」「休暇を言いにくい雰囲気がある」など、職場の多忙さや休暇を申請しにくい実情を挙げる声があった。

同じく女性組合員で、妊娠中に妊娠障害の症状があったと回答した者を対象に、複数回答でその内容を聞くと、▽つわり 79.3%▽切迫流産 30.2%▽切迫早産 24.7%▽むくみ 15.0%――だった。妊娠や出産に関する休暇などで「必要あったが利用していない」と答えた割合をみると、▽妊娠障害休暇 20.7%▽通院休暇 20.1%▽通勤緩和措置 30.6%――だった。

労働環境が妊娠や出産に「影響したと思う」と答えたのは40.7%。特に高校や運動系の部活動を担当している教員で5割を超えた。

自由記述で具体的な内容を聞くと、「妊娠初期に体育会があり、体調を崩し流産をした」「立ち仕事に加え、階段の昇り降りなどがつらかった。和式トイレしかなく、負担が大きかった」「仕事のストレスからホルモンバランスが崩れ、妊娠しにくかった」などの声が寄せられた。