いじめ・不登校対策 各自治体が新たな取り組み

大分県教委の「いじめ対策・不登校児童生徒支援ガイド」
大分県教委の「いじめ対策・不登校児童生徒支援ガイド」

いじめ・不登校対策のため、各自治体がさまざまな取り組みを進めている。

■大分県教委の支援ガイド

大分県教委は4月に入り、教職員に向けた「いじめ対策・不登校児童生徒支援ガイド」を公表した。いじめ・不登校の問題を抱える生徒を支援する際に陥りやすい先入観と、支援の段階ごとに教職員が意識すべきポイントをまとめた。

同教委が2017年末に実施した、学校のいじめ・不登校対応を自己評価する「いじめ・不登校対応に関する観点チェック」では、学校いじめ防止基本方針の策定・周知に関する取り組みや、いじめ事案の速やかな報告、組織的な不登校対策などの達成率が低い傾向がみられた。この結果も踏まえ、現在の課題を「自分の学級(学級)でいじめなんてありえない」「いじめがあると報告すると、問題のある学級と思われる」「何が何でも登校させなければ」など、「教員が陥りやすい8つの先入観」として示した。

また、支援の段階を「未然防止」「早期発見」「解決支援」に分け、各段階ごとに意識すべき項目をまとめた。

「未然防止」の段階においては、▽児童生徒の「居場所づくり」や「絆づくり」を行っているか▽学校のいじめ防止基本方針や不登校対策プランを、保護者・児童生徒とも共有しているか▽研究主任と生徒指導部、教育相談部が連携した授業改善の取り組みを行っているか。

「早期発見」では▽SNS上のトラブルの把握ができているか▽組織として心理・福祉の専門家を加えた複眼的な見守りを行っているか。

「解決支援」では▽専門スタッフや関係機関を効果的に活用した支援計画を立てているか▽不登校児童生徒に対する多様で適切な教育機会を提供しているか――など、現状の取り組みや意識に不足がないかチェックできるようになっている。

■千葉県教委の指導資料集

千葉県教委もまた、約8800人に上る不登校の児童生徒への支援を充実させるため、「不登校対策指導資料集」を作成し、千葉市や私立学校を含めた県内全ての小・中・高・特別支援学校の教員に配布した。現状に対する理解や児童生徒の変容に対する気づきの促進を図るとともに、不登校に陥った際の初期対応に関する具体的方策や、自立支援のための手引き、有効なケース会議の持ち方などを示している。

特徴的なのは「新たな不登校を生まないために」として設定した章。昨年度の県内小・中学校の不登校児童生徒のうち、約半数は前年度に不登校でなかった児童生徒が「新たに不登校になっている」現状を明らかにした上で、文科省が14年7月に公表した「不登校に関する実態調査」を基に、不登校の背景や要因を分析。

「新たな不登校を生まないためには、教育的予防の未然防止と、治療的予防の初期対応の2種類があることを理解し、適切に取り組むことが重要」とし、教員が取り組むべき内容を、「資質能力の向上」、「学級づくり」、「分かる授業づくり」、「魅力ある学校づくり」などに分けて、具体的に示した。

同資料集は4月10日に公開され、同県サイトからダウンロードできる。

■不登校対策支援チーム

同県では今月5日、「不登校対策支援チーム」も立ち上げた。地区ごとの拠点校や不登校対策の担当部署と連携しながら、不登校の子供へのメンタルケアなどを充実させる。

支援チームのメンバーは4人で、福祉、心理学の専門家や、教育相談の経験がある元教員らが務める。5日の発足式では、澤川和宏教育長が「不登校の長期化や複雑高度化により、1人の先生や学校での対応が難しくなってきている。県を挙げて対応していく中の、中核として活躍してほしい」とメンバーを激励した。

また、不登校などの課題を解決するため、県内125校の小・中・特別支援学校を「不登校対策推進校」として、教員を1人加配。校内支援体制の整備や校内研修の充実、不登校児童・生徒のための支援教室の整備、スクールカウンセラーなど外部との連携に当たらせている。今後はスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの増員、特別支援学校の過密化対策としての学校新設などを行う予定。

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