働き方改革受け 半数以上の都道府県で学校にICT導入

学校事務の共同実施を行っているのは7割に上る
学校事務の共同実施を行っているのは7割に上る

全国都道府県教育長協議会(会長・中井敬三東京都教育委員会教育長)は4月10日、2017年度の研究報告書を公表した。同協議会は毎年異なるテーマで研究を行っており、同報告書では、校種間連携、学校における働き方改革、教職員定数の課題などが取り上げられた。いずれも47都道府県教委に対して質問紙調査を実施し、各都道府県の取り組み状況を分析した。学校における働き方改革を受け、半数以上の都道府県(以下、県)で、学校事務の共同実施の推進やICTの導入による負担軽減策を行っているのが分かった。

校種間連携では、教育大綱や教育振興基本計画、総合計画などで、「英語教育」「キャリア教育」「特別支援教育」「生徒指導」の各分野全てで、校種間連携を推進する方針や目標を掲げているのは18県あった。

また、人事異動による教員交流は全ての県で実施され、特別支援学校を含めた小・中・高校間での異動が37県で行われていた。英語教育では41県、キャリア教育では27県、特別支援教育では28県、生徒指導では21県で、校種間連携の取り組みが実施されていた。

学校における働き方改革では、県教委として学校事務の共同実施の推進に関する取り組みを行っているのは33県、そのうち、教職員の負担軽減につながった取り組み事例が報告されたのは29県だった。

また、ICTの導入により負担軽減につながった取り組みも36県から報告された。勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムを導入済みまたは導入を検討しているのは26県あった。勤務時間外の保護者らからの相談対応を、都道府県で集約化しているのは1県のみだった。スクール・サポート・スタッフの配置を実施しているのは13県で、16年度と比べ10県増加した。

退職者や教員OBなどの地域人材活用により、負担軽減につながったと報告したのが25県、そのうち、教材作成や実技指導、プリント印刷などの学習支援で負担軽減につながったとしたのは21県あった。部活動では、全都道府県で部活動指導員を導入済みまたは導入を検討しているとされ、休養日の設定も41県で実施されていた。

通級による指導や、外国人児童生徒への指導などの基礎定数化に伴う配置状況も調査した。通級による指導では、17年度に10分の1の基礎定数化による改善の成果として、3割程度の県が「学級を新設、増設できた」と回答した。また、新たな課題として10県が、「正確な対象児童生徒数の把握」を挙げた。

10年後に完全に基礎定数化が実施された場合に改善されると考えられる事項では、「安定した教員配置」(19県)、「見通しをもった人事」(10県)などが挙げられ、課題としては「へき地・少人数地域への対応」(20県)が最も多く挙げられた。「通級による指導が終了した児童生徒数の改善状況」など、加配による成果指標を設けているのは35県あった。

外国人児童生徒などへの指導では、対象となる児童生徒数が多い県では、今後基礎定数化が完全実施しても残る課題として、「指導者養成」「多様化するニーズへの対応」「基礎定数化の基準の見直し」といった回答が多かった。「語彙(ごい)数の増加や日本語レベルの上達状況」など、加配による成果指標を設けているのは36県あった。

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