大学生の授業の予習・復習時間少なく 単位制度が形骸化

1週間あたりの授業の予習・復習の時間(専攻分野別、1・2年次)
1週間あたりの授業の予習・復習の時間(専攻分野別、1・2年次)

国立教育政策研究所は4月9日、2016年度の「大学生等の学習状況に関する調査研究」の報告書を公表した。14年度に実施した前回調査と同様、授業の予習や復習に充てる時間が少なく、多くの学生が3年次までに卒業に必要な大半の単位を取得してしまう傾向が示され、単位制度が形骸化している実態が浮き彫りとなった。

大学生の授業への出席の週当たり平均時間は、▽1年次 20.0時間▽2年次 19.4時間▽3年次 15.9時間▽4年次 5.4時間――と、学年が進むにつれ減少していった。前回調査と比較すると、ほとんど変化していなかった。1年次と2年次の専攻分野による違いを比較すると、「医・歯・薬」「看護・保健」では、6割以上の学生が21時間以上授業に出席しているのに対し、「教育・家政・福祉」や「理・工・農」では半数以上、「社会科学」では3割に満たなかった。授業の予習や復習に充てる時間は、1年次で4.9時間、2年次で5.4時間となり、授業への出席時間の約4分の1程度で、前回調査と比較すると、ほとんど変化していなかった。

授業以外の学習に費やす平均時間をみると、▽1年次 2.1時間▽2年次 2.6時間▽3年次 4.0時間▽4年次 4.8時間――となり、学年が上がるにつれて増加している。ただし、3年次を除くと「0時間」が最頻値で、公務員や資格を必要とする専門職、大学院進学などを希望する特定の学生が熱心に取り組んでいると予想される。

学年ごとの単位の取得状況をみると、3年次前期までに、卒業に必要な単位数の80%を取得してしまい、4年次には卒業論文やゼミなどの必修科目を残すのみとしている学生が多い傾向が示された。報告書ではこの結果から、「単位制度の趣旨はほとんど形骸化している」と指摘し、1、2年次の履修科目数の上限を設けるのが不可欠であるとした。