選手と走り計算学ぶ 『東京2020算数ドリル』で合科授業

児童と一緒に50メートルを走る塚原選手
児童と一緒に50メートルを走る塚原選手

オリンピアンと一緒に走って、算数を学ぶ――。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が作成した『東京2020算数ドリル』を使った、算数と体育の合科授業が4月12日、東京都渋谷区立山谷小学校(盛永裕一校長、児童365人)で行われた。

シドニーオリンピック女子マラソン金メダリストの高橋尚子東京2020アスリート委員会委員長や、北京オリンピック男子陸上4×100メートルリレー銅メダリストの高平慎士選手と塚原直貴選手が、同校6年生児童と一緒に50メートル走を走り、1秒あたりに進む距離を計算で求めながら、距離と速さの関係を学んだ。

3時間目と4時間目の2時間連続の授業。3時間目では、高橋委員長や高平選手、塚原選手が、教室でドリルを児童一人一人に手渡した後、各式の答えの数字を並べると2020年東京オリンピックの開会式の日付になる計算問題に取り組んだ。

高橋委員長は「算数だけでなく、東京オリンピック・パラリンピックも学べる。大会まであと2年3カ月あるが、楽しみながら勉強も頑張ってほしい」と児童に話した。

4時間目はグラウンドで、体育と算数の合科授業が行われた。まず、高平選手が50メートルを走り、児童はそのタイムから、数直線を使って1秒あたりに進む距離を考えた。次に、児童が実際に50メートルを走り、それぞれのタイムから自分自身が1秒あたりに進む距離を計算で求めた。50メートル走には、塚原選手や鈴木大地スポーツ庁長官、長谷部健同区長も参加し、速く走るための注意点や、フォームをアドバイスした。児童は「計算してみたら、1秒で自分の身長の3倍も進めるのが分かった。1秒は意外と長いなと感じた」と授業を振り返った。

授業後、高平選手は「小学生の頃、算数は正直嫌いだった。このドリルで楽しい学習につながればうれしい。陸上競技は楽しみ方が分からないと言われるが、こうした学習を通じて、その競技について多角的な見方ができるようになる。オリンピック・パラリンピックが、子供たちの将来にレガシーとして残ってくれれば」と期待を寄せた。

同ドリルは、今年度から同区内の公立全18小学校で、小学校6年生の副教材として配布される。上巻では、東京オリンピックの全33競技にちなんだ算数の問題を解きながら、競技のルールなどを学べるようになっている。制作には多くのオリンピック選手が協力し、写真と吹き出しで問題のヒントなどを提示している。10月には、パラリンピック競技を扱った下巻も発行される予定で、同委員会では今後、多くの自治体に活用を呼び掛けていくという。