熊本が全国初 県単位でいじめ通報アプリを本格導入

熊本県教委は、生徒がスマートフォンなどからいじめの情報を匿名で通報できる「通報窓口アプリ」を、県内の全ての県立中学・高校で本格導入することを決定し、4月18日、全県立中高の管理職や担当者を集めて説明会を行う。都道府県単位でのアプリの本格導入は全国初といい、同教委は「県内で独自に行った『心のアンケート』で、中高生の2割が『いじめにあったが、誰にも話していない』と回答した。このアプリを、いじめを訴える手段にしたい」と話している。

導入するのは、スクールガーディアン事業を展開するアディッシュの「Kids’Sign」。生徒はいじめの情報を、スマホなどから匿名で通報できる。いじめの被害を受けたり、いじめを目撃したりした生徒が通報すると、アプリ管理会社から県教委を経て学校へ伝達する。

被害者が自殺を示唆しているなど緊急の場合は、管理会社が確認し、県教委に即時報告。また、加害生徒などの固有名詞が確認された場合も、翌営業日までに管理会社が即時報告する。

県は「匿名のため、仕返しを恐れることなく通報が可能で、埋もれていた声を発見できる」と期待をかける。これまで24時間体制の「子どもSOSダイヤル」で電話相談を受けていたが、電話に比べると「敷居の高さ」を払拭(ふっしょく)でき、時機を逸しない対応が可能になる。「情報モラルが向上し、SNS上などのいじめの抑止にも一定の効果がある」と判断し、本格導入に踏み切った。

導入のきっかけは、13年8月に県内の高校1年生の女子生徒が自殺した事件だという。同県いじめ調査委員会は、友人からLINE上で脅迫的な書き込みがあった事実などをいじめと認定し、学校や県教委に対して、スマートフォン利用などの指導の在り方を提言した。同アプリ導入は、提言を具現化した事業の一つとなる。