高校での講演に修正求めた問題 政府が「誠に遺憾」

北海道ニセコ町立北海道ニセコ高校で行われたエネルギー教育の講演会の資料を、北海道経済産業局の職員が事前に確認し、原子力発電の内容に関して修正を求めていた問題を受け、政府は4月17日、「誠に遺憾」とする答弁書を閣議決定した。ただし、事前検閲や教育内容への不当な介入などには当たらないとした。

立憲民主党の逢坂誠二衆議院議員が提出した、「資源エネルギー庁によるニセコ高校の教育内容への不当な介入に関する質問主意書」に対する答弁。同議員は、同校や講演する研究者に対して同局職員が取った言動は事前検閲に当たり、教育への不当な介入であると批判し、事実確認や政府見解を求めていた。

答弁書では、講演者に対して同局職員が、エネルギー源ごとのメリットやデメリットについて、生徒に公平・正確に伝わるような資料が求められると指摘した事実を認め、「講演者を訪問し、原子力発電の論点のみを取り上げて言及したことは、誤解や懸念を生じさせる行為であったと考えており、この点は誠に遺憾である」とした。また、同問題以外で講演資料について事前確認を行ったのが1件あったが、資料の修正は求めていないとした。

同問題は、資源エネルギー庁の「エネルギー教育モデル校」に選定されていた同校が主催する講演会で、同局が事前に同校に資料の内容をメールで問い合わせた後、職員が講演者を訪問。講演資料の中で使われていた福島第一原子力発電所の水素爆発事故の写真などを挙げ、「この写真は使ってほしくない。この写真だけ出して原発が危険だというのは印象操作である。他の自然エネルギーでも、事故が起きますよね」などと、原子力発電の問題点について修正を求めていた。

世耕弘成経産大臣は4月13日の閣議後の記者会見で、「(同事業は)エネルギー政策の広報活動の一環として行われているものと認識をしている。ただ、授業に対して支援をするということになると、今回起こったような誤解が起こりかねない」として、今年度以降のモデル校の新規募集を打ち切ると表明した。

2017年度には、同校を含め全国の小、中、高校など31校がモデル校に選定されていた。同事業には今年度約1.5億円の予算が計上されているが、同庁では事業全体の見直しも含めて検討するとしている。