こども宅食の保護者に調査 心理ストレス高い傾向

こども宅食を利用する家庭の保護者の精神的負荷は高い
こども宅食を利用する家庭の保護者の精神的負荷は高い

NPO法人フローレンスは4月24日、同団体が東京都文京区で実施している「こども宅食」を利用している家庭などを対象に、家庭の経済環境や生活などの実態、同事業の効果などを調べた調査結果を公表した。調査を通じて、対象家庭の保護者は、心理的ストレスにさらされている状況が明らかとなった。特に保護者に病気や病歴がある世帯では、その傾向が他の世帯と比べても高くなった。

同事業は昨年10月から始まり、区内の経済的に厳しい子育て世帯に対して、企業・団体などから提供された食品を、2カ月に1度、各家庭に配達している。配達を通じて家庭を見守り、困難な問題が起こる前に適切なサポートをできるようにするねらいがある。調査は、同事業の配送世帯150世帯と、同事業の抽選に漏れた落選世帯81世帯の計231世帯を対象に行った。いずれの家庭も、児童扶養手当や就学援助の受給を受けている。

対象となる世帯のうち、半数以上の62%がひとり親家庭だった。また、16世帯で親子の一方または両方に病気や病歴があった。

各家庭の生活課題をみると、ひとり親の世帯では、いずれの家庭でも「収入・生活費」を挙げる割合が半数以上となった。保護者に病気や病歴がある世帯では、「病気や健康、障害」「子育て」についても、半数以上で、他の世帯と比べて高い傾向だった。また、子供に対して、「毎月お小遣いを渡す」「毎年新しい洋服・靴を買う」「習い事に通わせる」「誕生日のお祝いをする」「1年に1回くらい家族旅行に行く」の各項目で、他の世帯などと比べても「経済的にできない」と選択した割合は高かった。

対象世帯では、保護者の心理的なストレスや気分・不安障害、重度精神障害で、東京都のデータより有意に高い傾向が示され、保護者の精神的な負荷が高い状況が浮き彫りとなった。特に保護者に病気や病歴がある世帯では、心理的ストレス反応や気分・不安障害で他世帯などより15ポイント以上高かった。

同事業の利用による効果をみると、子供や保護者自身への健康面への影響は限定的であった一方で、一家庭平均で月3710円の節約につながったため、その分の生活費を、必需品の購入や子供の学習費、小遣いなどに回せるようになった家庭が増えた。また、食品の配送を通じて、「気持ちが豊かになった」と答えた家庭は47%に上った。

同団体では、同事業の配送を通じて、対象家庭に精神的な充足や安心感をもたらしているほか、対象家庭とのコミュニケーションを継続していくことで、リスクの高い家庭を把握し、予防につながる可能性があるとしている。