進学や就職に不安 あしなが育英会が支援呼び掛け

事故や病気、災害などで親を失った遺児らを支援するあしなが育英会はこのほど、同会の奨学金を利用している学生を対象とした、2017年度の生活状況報告書を公表し、支援を呼び掛けた。経済的な理由から、進学や就職など、将来への不安を感じたり、アルバイトをしなければ生活できなかったりする厳しい状況が浮かび上がった。

大学や専門学校などに通いながら、同会の奨学金を利用しているのは1433人で、そのうちアルバイトをしているのは967人。アルバイトによる平均月収は6万5493円。1日当たりのアルバイトに費やす時間は5.95時間だった。同会の奨学金以外の奨学金を併用している割合は62.3%で、併用している奨学金の月額平均は3万1283円だった。一人暮らしをしているのは708人で、そのうち、仕送りなしは495人(69.9%)を占めた。

自由記述では、「アルバイトをしながら生活費を稼いでいるが、貯金が全くできておらず、就活生になってから今の生活が維持できるかどうか不安」「お金の面などで、周りと金銭感覚が違うと不安になる。いつもお金を気にして過ごすのが嫌になる」など、就職活動や生活費の工面などで不安の声が寄せられた。

また、高校に通いながら同会の奨学金を利用しているのは1532人で、そのうちアルバイトをしているのは566人いた。アルバイトによる平均月収は3万3891円で、6万円以上も45人(8.0%)いた。

自由記述では「大学に進学したいけど、専門学校に行った方が学費が安いから大学に行きたいと親に言えない」「県外就職で一人暮らしをしたいが、バイトの貯金だけでは厳しく、地元就職にするか悩んでいる」など、経済的な理由から大学進学や就職で躊躇する様子がうかがえる。

同会では今年度から、従来の貸与型無利子奨学金に、月額で高校生2万円、大学生3万円の給付を上乗せする新たな奨学金を導入している。