主幹教諭や事務長の導入効果 働き方改革部会で議論

主幹教諭と学校事務の事務長導入による効果が議論された
主幹教諭と学校事務の事務長導入による効果が議論された

中教審初等中等教育分科会の「学校における働き方改革特別部会」は4月25日、第12回会合を都内で開いた。主幹教諭や学校事務の事務長について、文科省が行った実態調査などを基に、導入効果や学校の組織運営体制の課題などを議論した。これらを導入した教委からは、教職員の負担軽減や人材育成につながるという声が上がる一方で、財政上の問題などで導入が進んでいない教委もあった。

同省では、47都道府県と20政令市の教委に対してアンケートを行い、主幹教諭と学校事務における事務長の配置状況を調査した。

主幹教諭を配置しているのは57教委に上った。そのうち、今後、主幹教諭を「増やすことを検討中」なのは22教委、「現状の数を維持する方向」なのは35教委あった。現在、主幹教諭を配置していない10教委のうち、配置を検討中なのは3教委だった。

主幹教諭を配置した効果を自由記述で聞いたところ、「管理職と教職員のパイプ役になることにより、校内のコミュニケーションが改善された」「教職員間の業務調整が円滑になり、業務の質が改善し、業務の効率化が進んだ」「若手教員等の校務処理能力等が向上した」など、学校の組織力向上や教職員の負担軽減、人材育成などにつながっていると評価する声が上がった。

一方で、主幹教諭を配置していない教委にその理由を聞くと、「主幹教諭は給与上の昇格となり、財政負担が増加する」「規模の小さな県では、主幹教諭の人数が少なく、人事異動が硬直化する恐れがある」など、財政上の問題や人事配置上の制約が課題として挙げられた。

学校業務改善アドバイザーの妹尾昌俊委員(教育新聞特任解説委員)は、「主幹教諭は長時間労働是正にはこれまであまり機能していなかったと見るべきで、働き方改革における優先順位は高いとは思えない」と指摘し、主幹教諭の導入効果を疑問視した。

事務長の配置状況では、小・中学校などに事務長を配置しているのは19教委で、そのうち、「増やすことを検討中」なのは8教委、「現状の数を維持する方向」なのは11教委だった。また、事務長への専決権などの権限を付与しているのは12教委、付与していないのは7教委で、処遇として給料表上、上位の等級を設けているのは12教委、管理職扱いなのは6教委、特段の処遇はないのは3教委だった。事務長を配置していない48教委のうち、「配置を検討中」なのは4教委にとどまり、「現時点では配置を考えていない」のは44教委だった。

事務長の配置による効果では、「事務長が専決権を持つことにより、管理職による事務処理等の効率化が図られ、負担軽減につながっている」「学校事務への参画が進み、学校事務の平準化・効率化が推進された」「事務職員の組織的・計画的育成」「学校事務の共同事務を推進する上で、リーダーとしての立場を明確にすることができる」などの意見が出た。

複数の学校の事務職員が定期的に一つの学校に集まるなどして、共同で事務業務を行い、学校事務の効率化を図る「共同実施」について、委員の一人で、愛知県豊橋市で共同学校事務室の設置などに関わった風岡治愛知教育大学准教授は、「学校事務職員は多くの学校で一人しか配置されておらず、共同実施を通じて、経験の浅さなどを埋める効果もある」と、人材育成の観点からも有効だと述べた。