高知県教委 容疑の元校長に退職手当差し止め処分

高知県教育委員会は25日、定例教育委員会を開き、組合の貸金庫から約4800万円を不正に引き出した同県土佐市立小学校の元校長(60)に対し、退職手当の支払いを1年間差し止めるとした。元校長には同日、処分の議決後に通知を行っている。

県教委担当者は「本来であれば懲戒免職に当たる非違行為であるが、発覚が遅く定年退職となった。今後は退職手当を不支給にする方向で手続きを進めていく」と話す。県によれば、元校長の不正引き出しについて報告を受けたのは3月26日夜。すぐに事実確認などに着手したが、年度内に懲戒免職などの処分を行うことはできなかった。そのため当初の予定どおり定年退職となったが、今回いったん退職手当を1年間差し止めとしながら、県退職手当審査会に元校長への手当不支給を諮問し、同会の答申を受けた後、委員会での審議を行い、不支給を決定する。

今後さらに、元校長や同組合などへの事実確認を進め、状況を明らかにしていく。約4800万円の使途については、県警が捜査を進めている段階であるため公表できないとのこと。

元校長が不正引き出しを行ったのは高知県管理職教員組合の貸金庫。元校長は2009年から16年にかけて金銭管理担当の役員を務め、複数回にわたって不正引き出しを行った。当時の組合長が不審に思い不正引き出しの事実を知ったが、警察などへの通報は行わず、弁済契約公正証書を作成、弁済を求めた。しかし元校長は約60万円の返済の後弁済せず、現組合長が3月26日夜に県教委へ報告したとのこと。

同組合は県内学校の校長および教頭が任意に加入するもので、役員も校長や教頭が務める。元校長が不正に引き出したのは、1970年代から同組合が地元の信用金庫に積み立てていたもので、元校長が役員になるまでに総額は約7800万円に上っていた。同組合はこれを運用しようと考え、08年から09年にかけて検討委員会を立ち上げていたが、結論には至っていなかった。

同組合の現役員は取材に対し、「チェック体制をきちんと整備したり、チェックの機会を増やしたりするなどして管理を徹底すべきであった」と話す。税金の使用であればどの自治体でも厳重に管理して使用するが、同組合のような教員などによる任意団体では、互いの信頼関係が築かれているが故にチェック機能は甘くなるのかもしれない。今回の事件を繰り返さないよう、管理運営について今一度見直す必要がある。