スポーツ経験が非認知スキルを高める 研究成果を報告

非認知スキルのスポーツ経験の影響を説明する夏川助教
非認知スキルのスポーツ経験の影響を説明する夏原助教

スポーツの経験がある子供の方が、非認知スキルが高い――。東京成徳大学の夏原隆之助教は4月27日、都内で開かれた笹川スポーツ財団のスポーツに関する研究発表会で、子供の非認知スキルの発達とスポーツ活動との関連性について研究成果を報告した。

発表会は、同財団が2017年に助成したスポーツに関する研究の成果を発表するもの。

同助教は学力では測れない、教育や労働などで評価される性格特性や目標志向性、意欲などを指す非認知スキルを獲得する効果的なツールとして、子供の頃のスポーツ活動の影響に着目。小学3年生~中学3年生までの1581人に質問紙調査を実施し、スポーツ経験の有無や、どんなスポーツ経験をしているかによって、自制心や忍耐力、自己効力感、目標志向などの非認知スキルに違いが出るかを調べた。

その結果、スポーツ経験のある子供の方が、全体として非認知スキルが高いという結果が得られた。発達の変化でみると、スポーツ経験者では、小学校中学年から高学年にかけて非認知スキルが上昇し、中1で一時的に低下する傾向がみられたが、非経験者と比べて5ポイント程度高いスコアとなった。

スポーツの種目による違いをみると、集団スポーツの経験者の方が、非認知スキルが高い傾向にあるのが分かった。また、スポーツの活動歴が長い方が、非認知スキルが高い傾向にあったが、個人の目標志向性の項目については、スポーツに費やした期間や時間との関係はみられなかった。

同助教は集団スポーツの経験者の方が認知スキルが高い結果について、「周囲の仲間の存在や集団への帰属意識が影響しており、協働学習を通じて非認知スキルを獲得していると思われる」と考察。中1で非認知スキルが一時的に下がるのは、周囲からの厳しい評価を感じたり、自分に厳しくなったりするのが影響しているとし、スポーツ指導者はその時期の子供に対して「子供がスポーツに主体的に関われるような指導方法の実践や環境整備などをする必要がある」と指摘した。また、「どの種目をするかよりも、選んだ種目にどのように取り組むかが重要だ」とも話した。

同財団では、来年度も総額3096万円の助成を行い、スポーツ政策や青少年のスポーツ振興に関する研究などを支援する。