夜間中学設置への動き 文科省も自主夜間中を初視察

文科省「平成29年度夜間中学等に関する実態調査」より
文科省「平成29年度夜間中学等に関する実態調査」から

文科省の教育制度改革室などはこのほど、埼玉県川口市の自主夜間中学を初めて視察した。同室は「夜間中学の設置推進・充実事業」に取り組んでおり、同市が2019年度から同県初の公立夜間中学を開校するため、制度は異なるが関係の深い自主夜間中学を視察した。

公立夜間中学を設置しているのは全国で8都府県25市区だが、16年に教育機会確保法が成立したことなどを受け、国は、新たな夜間中学の設置を促進するとともに、既存の夜間中学における多様な生徒の受け入れ拡大を図っている。

同市は千葉県松戸市とともに、同法が成立して初めての、公立夜間中学の設置事例となる。松戸市で1月に行われた「夜間中学講演会」では、文科省担当が「夜間中学の開設について自治体の担当者と意見交換すると、『ニーズがあるか分からない』という声もよく耳にする」と述べた。しかし川口市が実施した「夜間中学に係るニーズ調査」では、回答した1246人のうち、「通いたい」「どちらかといえば通いたい」としたのは387人(31.1%)。「中学校での学習を学び直したい」「高校に進学するための学力を付けたい」「就職に必要な力を身に付けたい」などが、その目的だった。

川口市の奥ノ木信夫市長は17年6月の市議会定例会で、「教育機会確保法が成立したことや、3万人を超える外国人が本市に在住していることを踏まえ、県内初の公立夜間中学を本市に設置することを決断した」と述べ、19年4月の開設に向け、県や県内自治体とも連携しながら、全力で取り組む構えを示した。同市長は17年11月、「埼玉に夜間中学を作る会」と「川口自主夜間中学」の合同集会にも参加。設置への意気込みを述べている。

同市は5月19日に市民説明会を行う。夜間中学について理解を深めることがねらい。今後、自主夜間中学などでの学習活動への支援や、夜間中学の積極的な広報、相談窓口の設置、夜間中学がある他の自治体との連携を進める方針。

関連記事