「教員の多忙化」を考える 東大五月祭でフォーラム開催

教育界の有識者と学生たちが、「教員の多忙化」をテーマに議論する教育フォーラムが5月20日、東京大学五月祭において開催される。働き方改革の必要性が叫ばれる中、教育現場の喫緊の課題として俎上(そじょう)に載った「教員の多忙化」。13年連続で同フォーラムを主催するNPO法人日本教育再興連盟(ROJE)の学生たちは、問題の根底に「教員特有の価値観」をみる。フォーラムの目的について、ROJE関東学生事務局の横田和也さん(東京大学教養学部2年)に聞いた。


昨年度の様子
昨年度の様子
――今回のフォーラムの概要は。

内田良名古屋大学大学院准教授、教育研究家の妹尾昌俊氏(弊紙特任解説委員)による基調講演と、両氏に加えてROJE代表理事を務める教育者の陰山英男氏、文科大臣補佐官である鈴木寛東京大学/慶應義塾大学教授をゲストスピーカーに迎えてのパネルディスカッションが中心となる。 パネルディスカッションには、ROJEの学生代表も参加する。学生の視点からさまざまな意見を述べる点が、他のフォーラムとの大きな違いだと思う。

――今回のテーマ「教員の多忙化」について。

教員の多忙化は多くの要因が複雑に絡み合っているが、その根底には「子供のためにひたすら一生懸命頑張る」ことを至上とする、教員の独特な価値観があるのではないかと考える。

自分自身も以前は、遅くまで生徒の補習に付き合ってくれたり、課題を丁寧に添削してくれる教員を「いい先生」だと感じていたが、過労死ラインを越えて働く教員がたくさんいる現状を知るにつけ、そうした先生の熱心さは多くの犠牲の上に成り立っていたのだと分かった。

実際に話を聞くと、仕事を「労働」と捉えること自体に抵抗感を持つ人もいる。教員の仕事を「聖職」扱いする考え方の是非や多忙化の解決策について、有識者、来場者の方々と共に考えてみたい。

――ROJEの活動内容は。

関東のほか関西、九州にも支部を置き、教育に興味を持つ学生約200人が活動している。関東ROJEでは、小学校の授業や放課後支援の補助を行うボランティア活動や、福島県相馬市の子供たちとの交流、高校生の学習支援も行っている。

五月祭教育フォーラムも活動の一環として毎年開催しており、昨年は「大学入試改革」をテーマに、約600人の方に参加いただいた。

――来場者へのメッセージは。

われわれが「教員特有の価値観」と呼ぶものは、教員はもちろん、学校教育を受けてきたあらゆる人の中にも存在している。今回のフォーラムでは、この価値観を改めて捉え直すきっかけを提供したい。

学校生活の中で身に付けた価値観を相対化することで、来場者がそれぞれ自分の生き方を振り返ったり、自由に生きられるようになるのではないかと考えている。

今までの考え方を見直す機会として、教育関係者に限らず、どの方もぜひ参加していただきたい。

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ROJE五月祭教育フォーラム2018「ブラック化する学校~多忙の影に潜むものとは~」

開催日時:5月20日 午後2時~午後5時。会場:東京大学本郷キャンパス法文1号館法25番教室。※参加申し込みは事前申し込みフォームから。