SDGsを取り入れた教育の可能性 教材完成記念で実践報告

SDGsを授業に取り入れたことによって、生徒の自主的な活動に発展した
SDGsを授業に取り入れたことによって、生徒の自主的な活動に発展した

「SDGsは世界へのパスポート」――。NPO「Think the Earth」(水野誠一理事長)はこのほど、持続可能な開発目標(SDGs)を学ぶための教材『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』(紀伊國屋書店刊)の完成を記念して、都内で記者会見を開いた。同書の教材開発に携わった東京都立武蔵高校・附属中学校の山本崇雄教諭、山藤旅聞教諭が、SDGsを取り入れた教育実践やその可能性について話した。実際に授業を受けた生徒も登壇し、学校の垣根を越えて、さまざまな企業や団体などと連携しながら、生徒が主体的に取り組んでいる活動を報告した。

「教えない授業」の実践で知られる山本教諭は、「社会の急激な変化に対して学校は変わっておらず、両者がものすごい勢いで離れてしまっている。社会と教育をつなぐ必要がある」と話し、SDGsを授業に取り入れる必要性を強調した。

山藤教諭は、同校の生物の授業でSDGsを取り入れた。希望する生徒がインドネシアのボルネオ島を訪れ、そこでの問題を現地の学生とディスカッションするスタディーツアーなどをきっかけに、生徒が自主的にSDGsの課題解決に向け、行動を始めた過程を話した。

スタディーツアーに参加した同校の高校3年生の中村彩葉さん、高校2年生の鈴木紗菜さん、坂井雪音さんは、JICAで写真展を開き、ツアーで知ったアブラヤシのプランテーションの問題を発信した。また、飲料メーカーでプレゼンテーションを行い、大量に消費される日本のペットボトルの問題を解決するために、「マイボトル自販機」のアイデアを提案した。その後、他校の生徒も合流し、4月に東京都渋谷区の代々木公園で開催されたイベント「アースデイ東京2018」に出店した。

記者会見では、都立南多摩中等教育学校3年生の老松京香さん、2年生の黒部睦さんが、イベントで実際に販売したオーガニックコットンでできたバッグのコンセプトを説明。SDGsのマークが描かれたスタンプを集め、バッグに押していくことで、SDGsの理解が深まるようになっているという。

メンバーの1人である都立国立高校2年生の入江遙斗さんは「SDGsを通じて社会をトランスフォーメーションしていきたい。SDGsは世界につながるパスポート」と抱負を語った。

同書は、親しみやすい漫画や世界の事例などを通じて、読者にSDGsの17の目標を達成するためのアイデアを考えさせる教材。発行に合わせ、同団体では5月14日より、先着100校に同書を40冊寄贈する。