児童から聞き取る「司法面接」の手法 いじめ調査に応用

子供から正確な情報を引き出す面接手法を説明する仲教授
子供から正確な情報を引き出す面接手法を説明する仲教授

仲真紀子立命館大学教授は5月10日、東京都千代田区の同学東京キャンパスで、子供の司法面接手法の開発に関する研究成果を報告した。司法面接の場で、被害児童が自分の言葉で語り、正確な情報を引き出すための知見は、いじめの実態調査や、学校の授業でのコミュニケーションにも応用できるという。

法的な判断ができる正確な情報を子供から聞き取る司法面接では、子供が虐待や犯罪、事故の被害者である場合には、大人の暗示にかかりやすかったり、精神的な二次被害を起こしたりする懸念がある。子供は、大人から繰り返し質問されたり、言い換えられたりすると、実際に体験していない内容でも、体験したかのように話してしまう場合がある。

さらに福祉、警察、検察、裁判で聴取を長期的に繰り返されると、フラッシュバックをはじめとする外傷的敏感症状を引き起こすリスクも高まる。また、面接者からの暗示による子供の証言によって、えん罪を招いてしまった事例もある。

同教授は10年間にわたって、こうした課題を改善する面接手法の開発に携わってきており、この日はその成果を報告した。

起こった出来事について、子供が自分の言葉で語れるようにし、かつ、正確な情報を引き出せるようにするには、▽面接者から情報を出さずに、子供の言葉を聞く▽子供の言葉を面接者が解釈しない▽コメントや評価をしない――ようにし、「全部話して」「それから」「出来事と、その次の出来事の間は」「もっと話して」といった質問を組み合わせる。面接の前に、話しやすい関係性を築いたり、今日の出来事を語らせて練習させたりするのもポイントになる。

また、長期間にわたる聴取の繰り返しを避けるため、できるだけ少ない面接で録音・録画を行う体制を導入する必要もある。

2017年1月に札幌市立中学校で起きたいじめの実態調査では、実際に同教授が関わってこの手法を採り入れ、録音された被害生徒の証言内容を基に報告書が作成された。

同教授は「学校内で起こった事件や事故を教員が子供から聞き取る際にももちろん有効だが、学校の授業や家庭の会話の場面で、例えば昨日の出来事を子供が自由に話し、大人が聞くといったような、話すトレーニングとしても応用できる」と話し、教育的な効果も期待できるとした。

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