採用側のルール違反445件 高校生の内定調査

記者会見で実態を報告する全教の委員ら
記者会見で実態を報告する全教の委員ら

2017年度の高校生の就職内定をめぐり、採用側の就職ルール違反が445件に上ったことが5月16日、全日本教職員組合(全教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の就職内定実態調査で分かった。それによると、内定の取り消しが5件のほか、求人取り消しは23件、求人・選考内容の変更が18件で、面接時の不適切な質問が296件と際立っていた。就職内定率は97.3%で、1994年度の調査開始以来2番目に高かった。景気回復により新規高卒者の雇用情勢が好調な中、企業による採用・選考時のルール順守の在り方が問われそうだ。定時制・通信制高校の内定率は84.1%で、95.9%の全日制普通科に比べて11ポイント以上低かった。

調査は公立・私立の全日制の普通科と専門科、総合学科、定時制、通信制、特別支援学校高等部を対象に実施し、33都道府県の424校から回答を得た。

採用側による就職ルール違反は、▽内定取り消し 5件▽求人取り消し 23件▽解禁日前の募集 5件▽求人・選考内容の変更 18件▽面接時の不適切な質問 296件▽長期化・厳選化 15件▽自衛隊の就職ルール違反 20件▽その他 63件――だった。面接時の不適切な質問については「母子家庭の生徒に『父親は?』と聞いた」「地毛である白髪について、面接時に『任意であるが、接客業であるため直すように』と連絡を受けた」とする報告が高校から寄せられ、採用側が家族の職業、体形、交際相手の有無、結婚後も継続して働く意思の確認、喫煙経験を質問する例があった。定時制や通信制に通学していることを理由に、会社見学を断られるケースもあったという。

就職内定率の内訳については、▽全日制普通科 95.9%▽同専門科 99.2%▽総合学科 96.6%▽定時制・通信制 84.1%▽特別支援学校高等部 95.9%――だった。
波岡知朗全教中央執行委員は「生徒は面接時に聞かれた内容を学校に報告する。就職者の多い学校では、企業のルール違反に対して、ハローワークに報告するなどの対応を取っている。就職者の少ない学校も含めて、高校の教員がルールや労働関連法規を十分に理解して対応する必要がある」と話している。

【訂正】「2018年度の高校生の就職内定」とあるのは「2017年度の高校生の就職内定」でした。(2018.5.17)