林文科相が麹町中を評価 社会とつながるを実現

校内を視察する林大臣(左)と工藤校長
校内を視察する林大臣(左)と工藤校長

林芳正文科相は5月21日、企業と連携したプロジェクト学習やユニークな放課後活動で知られる東京都千代田区立麹町中学校(工藤勇一校長、生徒数394人)を視察した。林文科相と工藤校長は「社会とつながる学校教育」の実現について意見交換した。

麹町中では、企業から与えられた課題について生徒が企画を立てたり、課題解決に取り組んだりする学習をカリキュラムに位置付けている。「アフタースクール」と呼ばれる放課後活動では部活動の他、大学生による学習塾やプロの外部専門家が講師を務めるサークル活動が繰り広げられている。今年度からは、定期考査や一人の教員が学級を受け持つ固定担任制を廃止した。

工藤校長は麹町中の教育改革の狙いについて、「目的と他者を意識してこそ学びは深まるが、日本の教育では手段が目的化してしまっているものが多過ぎる。本校では、形骸化した教育活動を徹底的にスクラップし、社会とシームレスな教育の再構築を目指している」と林文科相に説明した。

視察後の意見交換で、林文科相は「社会や経済とのつながりを学校が遠ざけてしまった結果、学校で『そろばん』を習っても、そろばんができるだけで、それがなぜ必要なのかが分からなくなってしまった」と指摘した。工藤校長は「本校は、特別活動や総合的な学習の時間について双方向型の学びに転換できた。しかし、多くの教科が、一斉授業のままであり、それが課題だ。学習指導要領で定められた内容が多過ぎて、個人の発達に応じた学びができない。学校に自由度があると、教育は大きく変わる」と話した。

林文科相は視察後に記者会見し「以前から同校に注目していた。特区ではなく、現行制度でこれだけの取り組みができたのは、工藤校長がじっくり時間をかけて、教員や保護者とコミュニケーションを取りながら、自分の考えを理解してもらおうと努めた結果だと思う」と評価した。