全学調査のデータ貸与開始へ 教育改善に生かそうと

個票データの利用審査を行うことになる有識者会議
個票データの利用審査を行うことになる有識者会議

文科省は全国学力・学習状況調査のデータを大学の研究者や行政機関に貸し出す。5月18日に同省で開催された第1回「『全国学力・学習状況調査』の個票データ等の貸与に関する有識者会議」で申請手続きが了承されたのを受け、匿名データについては5月中に受け付けを開始する。学力調査の研究分析の促進によって、エビデンスに基づいた教育施策の実施・改善に生かす狙いがある。

提供するのは、個票データと匿名データの2種類。個票データは、国語A・B、算数(数学)A・B、理科の各学力調査の正答数と解答状況、学習状況調査の児童生徒の質問紙、学校質問紙の回答状況を一覧にしたもの。匿名データは、個票データからサンプルを抽出し、匿名化されたもの。

大学の研究者や教委をはじめとする行政機関が、児童生徒の学力、学習状況、生活習慣の把握改善を目的とした研究や教育施策の改善・充実のエビデンスとして利用する場合に、最長1年間、申請に基づき必要なデータを貸し出す。

これに先立ち、2017年3月に同省が策定したガイドラインでは、貸出先にデータの適正管理や目的外利用の禁止を求めるとともに、学校や教委を特定して利用する場合には、該当する教委の同意を課した。分析結果の公表に当たっては、序列化や過度な競争を生じさせないようにした。

個票データの貸与は、年3回開かれる同有識者会議による審査が必要で、同省では事前相談を随時受け付ける。匿名データは原則として審査の必要がなく、2カ月に一度程度の頻度で、申請に基づき貸与する。