妊娠中の教職員の学校での危険 約半数が「感じる」

職場の深刻な状況を報告する全教の委員ら
職場の深刻な状況を報告する全教の委員ら

約半数の教職員が、妊娠中の教職員の母体が学校で危険に晒されていると感じている――。全日本教職員組合(全教)は5月28日、文科省で記者会見を開き、教職員を対象にした妊娠・出産・子育てに関するアンケート結果を公表した。学校の長時間労働や休暇の取りにくさ、代替教員の確保困難など、教職員の妊娠に適切に対応できない学校現場の切迫した状況が浮き彫りとなった。

調査は昨年に続き2回目で、全教に所属する教職員385人(男性138人、女性241人、不明6人)から回答を得た。

職場で、妊娠中の教職員の母体が危険だと感じた経験について聞いたところ、▽ある 44.5%▽ない 22.8%▽分からない 19.7%▽一緒に働いたことがない 13.0%――と、約半数の教職員が危険に感じていた。校種別では、▽特別支援学校 70.8%▽小学校 51.5%▽中学校 56.3%▽高校 28.9%――だった。

危険と感じた理由を複数回答で聞くと、▽長時間勤務 56.3%▽職場を休みづらい 48.1%▽子供が予期せぬ動きをしたとき 45.6%▽重たい物を持っていた 30.4%▽休憩場所がない 29.1%▽体育実技の代替教員がいない 14.6%――となった。実際に、体育の実技などで代替教員が確保できず、やむをえず本人が授業を行ったケースが5件報告された。

自由記述からは「過去に産休の代替者がなかなか見つからず、自習で対応せざるを得ない時期があった」(高校、女性)、「産休を取る先生の代わりがなかなか見つからず、先生も周りの職員も不安な思いをした」(小学校、女性)、「育児休暇の取得を検討したこともあったが、以前取ったことがある先生から、同じ教科の代替教諭が来てくれず、周囲に迷惑をかけてしまったとの話を聞き、あきらめたことがある」(中学校、男性)といった声が上がり、代替教員の確保が困難な状況の中、同僚の教職員の負担を懸念して、制度を利用できない学校現場の実態が浮き彫りになった。

さらに「(育児休暇を)自分の時は『1年も取った』と管理職に嫌みを言われたこともあった」(高校、女性)、「急な子供の体調不良で休まなくてはならなくなった時に、『何とかして出てこられないのか』『困る』と同僚の教員から言われた」(高校、女性)、「時短を取ろうとしたら、校長から『うちの家内は子育てのために教員をやめた』と言われた」(中学校、女性)など、同僚や管理職からのマタハラ被害が多数報告された。

市塚絢子全教中央執行委員は「学校現場でのマタハラは深刻な状況にある。発言者の人権感覚はもちろん問題だが、妊娠のしわ寄せが周囲の教職員の負担となり、そういう発言を許容してしまう職場の余裕のなさが背景にある」と指摘した。