エビデンス基づく教員育成 OECDのITP調査でシンポ

エビデンスの活用などを議論したシンポジウム

OECDによるTALIS(教員指導環境調査)の一環として実施している、ITP(初期教員準備調査)の最終カンファレンスが日本で開催された。これに合わせて教職員支援機構は6月3日、同調査に関する国際シンポジウムを都内で開いた。同調査に携わったOECD専門調査官が登壇。教員養成、採用、初任者研修に関し、エビデンスに基づいた施策の重要性を報告した。国内外から、教育関係者約170人が参加した。

TALISのプロジェクト責任者であるキャロライン・トンブレーOECDシニアアナリストは「移民・難民の増加、家庭環境や格差の拡大、特別支援のニーズの高まりなど、社会状況の変化が起こっている中で、未知にどう対応していくかが学校に求められ、教員にも、これまでの指導法からのパラダイムシフトが求められている。特に若い新任教員の専門性を高めるための手助けが必要だ」と強調した。

TALISの結果から、日本の教員は各国と比べ、協働性や知識は高いが、自律性が低い傾向にあると指摘。「日本の教員の年齢構成をみると3~4割が50代であり、今後、新規採用が増えるため、教員養成、採用、初任者研修の重要性が一層高まる」と述べた。

シンポジウムでは、ITPを担当した専門調査官らが登壇し、教員養成や研修におけるエビデンスの活用をテーマに、基本的な考え方や各国の取り組みを報告した。大規模調査だけでなく、授業観察も含めたさまざまなエビデンスに基づき、教員指導者が教員を支援していく必要性が示唆された。

ITPは、教員養成から採用、初任者教育段階における参加国の共通課題、強み、革新的な取り組みを分析し、国際的な初期教員準備システムのベンチマークの確立を目指す。第1回調査にはオーストラリア、日本、韓国、オランダ、ノルウェイ、米国、ウェールズ(英国)の7カ国が参加し、6月1日~4日まで日本で最終カンファレンスが行われた。成果は秋ごろにOECDから公表される。