大学生が部活指導に活躍 埼玉県、中・高生を後押し

生徒とともに汗をかく学生指導員

「ナイスキャッチ」「さあ、気合を入れていくよ」「分かりました」「次、行きます」――。雨雲が垂れ込めた埼玉県立志木高校のグラウンドに硬式野球部員の声が響き渡った。5月末の夕方、すでに小雨が降り始めていた。外野の守備練習を指導していたのは、埼玉県の教師を目指す大学2年生の浪江龍太郎さん(19)。29人の部員が浪江さんのグラブさばきのアドバイスに聞き入る。

大学の準硬式野球部に所属する浪江さんは、県教委が独自に取り組む事業「運動部活動インターンシップ」で志木高校に派遣された。この事業はスポーツ歴が豊富な教職志望の大学生らを運動部活動の指導者として県内の公立中・高校に派遣し、生徒の健全育成に役立てる目的で2012年度から始まった。18年度は浪江さんを含め71人の大学生らが中学20、高校37の競技で指導を繰り広げている。

「自分の指導によって高校生たちが成長しているのが実感できます」と浪江さんは話し、自分自身の成長も野球部員に支えられている面があると打ち明ける。志木高校における指導歴が2年目に入った浪江さんにとって野球は、中学時代から成長を後押ししてくれるスポーツだった。「中学生の時に受けた野球の指導が今も自分の核になっています。そうした指導が自分もできるように頑張りたい」と意気込んだ。

白球を追う高校生に刺激を与える大学生ボランティアの存在は、高校側にもいい影響を与えている。部顧問の浅川健太教諭は「浪江さんは、生徒との年齢も近く、選手の立場から適切な指導をしてくれるのがありがたい」と評価する。森田百合哉教頭は「インターン生の役割が拡大し、教員の働き方改革につながればいいと思う」と期待を寄せた。

県教委は18年度から文化部活動についても大学生を活用するインターンシップ事業を開始しており、これについても森田教頭は「運動部と同じくらい活発にしたいです」と付け加えた。