岐阜県立高の女子ハンド部で体罰 11人処分

岐阜県教委は6月7日、県立高校で女子ハンドボール部のコーチを務めていた男性非常勤講師(66)が部員に体罰を行っていたとして、当時の校長ら関係者11人を処分したと発表した。非常勤講師は地方公務員法上の懲戒処分の対象外で、依願退職もしていることから処分はしていない。

県教委によると、男性非常勤講師は県立益田清風高校で女子ハンドボール部のコーチを務めていた。2014年5月に3年生部員3人の足を蹴り、うち1人が大腿部の肉離れを起こしたこと、フォーメーションを指導する際に3年生部員の髪を引っ張って移動させていたことが発覚。同校は同月中に保護者会を開催し、校長が謝罪と経過説明を行った。男性非常勤講師は肉離れを起こした生徒の自宅を訪問して謝罪。同月末に依願退職した。

しかしその後も、男性非常勤講師は校外の施設や合同合宿で指導を行っており、当時の校長がそうした際には報告するよう当時の教頭に指示していたにも関わらず、教頭は報告しなかった。また、顧問の教諭から次の顧問への引き継ぎや、当時の校長から新校長への引き継ぎの際にも、男性非常勤講師について指示がなかったり、伝達が不十分だったりした。

16年5月には、男性非常勤講師が退職後も指導を行っていることについて学校に情報提供があったが、新校長は事態を深刻に捉えず調査は不実施。その約8カ月後、外部から情報提供が受けて県教委が調査を行った。

県の調べでは、体罰が発覚する以前の14年3月にも、保護者から学校に「指導が厳しいため、子供が部活動を続けることができない」との申し立てがあったことが分かった。当時の校長は部員への聞き取りを指示し、男性非常勤講師に口頭で注意したが、記録は残していなかった。

県教委は学校の対応における問題として、▽14年3月の保護者からの申し立てに対する対応が不十分▽管理職の管理監督、部顧問の監督が不十分▽体罰防止に向けた教員に対する指導や組織的な体制の構築ができていない▽男性非常勤講師の退職後の指導を放置▽16年5月に行われた情報提供への対応が遅い――などを指摘。また、県教委においても、14年5月の体罰に関し、調査が不十分であったこと、関係者の処分の検討を行わなかったことなどを反省点として挙げた。

県は16年度の校長、13~14年度の教頭、14年度の県教委教職員課長をいずれも戒告とした。また、保護者から指摘を受けながらも適切な対応をしなかったとして13年度の校長(退職)、管理監督が不十分だったとして14~15年度の校長(退職)をそれぞれ戒告相当とした。

県は14年5月の体罰を公表していなかったことについて、取材に対し「これまでのルールでは、負傷のない体罰は公表していなかった」とした上で、今後の再発防止に向けた取り組みとして▽公表ルールの見直し▽現行では負傷なしの体罰に関する処分が不明確な指針の見直し▽県立学校に対する体罰実態把握調査の実施――を行うとしている。