給食が思春期男子の肥満を減らす 東大の研究で明らかに

日本の男子中学生に肥満が少ないのは、学校で提供される給食のおかげ――。このような研究結果が6月5日、東京大学医学院医学研究科社会医学専攻公衆衛生学の宮脇敦士博士課程大学院生、李延秀特任教授、小林廉毅教授の研究グループによって発表された。給食実施率と栄養状態の指標の間の因果関係を明らかにし、適切な栄養基準に基づいて提供される学校給食が肥満を減らす有効な手だてであることを証明した。

研究は政府統計の公開データより、中学2年生から高校1年生の男女生徒を対象に▽2006年から15年の都道府県レベル(以下、県レベル)の給食実施率▽県レベルの栄養状態の指標(過体重・肥満・やせの生徒の割合、平均身長、平均体重)――を性・年齢別に抽出。パネルデータ分析の手法を用いて、前年の県レベルの給食実施率と翌年の栄養状態の指標の関連を調べた。解析の結果、県レベルの給食実施率が10%増加すると、翌年の過体重の男子の割合は0.37%、肥満の男子の割合は0.23%低下していた。女子に関しては、過体重・肥満を減らす傾向は見られたものの、統計学的に有意な効果は認められなかった。

世界的に思春期の肥満が増加傾向にある中で、日本の中学生は他国と比べ、以前から肥満率が低いことで知られていた。その理由の一つに、適切な栄養基準の下で提供される給食を学校の全生徒が食べている点が挙げられていたが、明確に立証するエビデンスがこれまでは存在しなかった。

今回の研究結果から、少なくとも男子については給食が思春期の過体重・肥満を減らす効果があると分かった。また、平均体重や平均身長も、給食実施率の上昇と比例して体重が減り、身長が伸びる傾向にあり、共に過体重・肥満を減らすのに寄与していると考えられる。