復興進む被災地の新たな課題 文科省への要望相次ぐ

林大臣に要望書を手渡す内堀知事(中央右)

東日本大震災で被災した東北地方の県知事がこのほど、文科省を相次いで訪れ、スクールカウンセラー(SC)の配置や教職員加配の継続を要望した。6月7日には内堀雅雄福島県知事が林芳正文科大臣と、翌8日には、達増拓也岩手県知事が水落敏栄文科副大臣と面会し、要望書を手渡した。復興が進む一方で、心のケアや子育て環境の整備など、被災地は新たな課題を抱えている。

福島県では避難指示の解除に伴い、今年4月から五つの町村で小・中学校が再開したものの、四つの町では今でも避難先に残る児童生徒のために学校を運営している。帰還を促すためにも、教育環境の整備や学校の魅力化が欠かせないとし、避難地域12市町村への学校裁量経費の予算確保、学校再開後のスクールバスの予算措置の継続を要望した。心のケアや学習指導など、きめ細かな教育支援も引き続き必要であるとして、前年度同様の教職員加配やSC配置の継続を求めた。

避難指示の解除により住民帰還が始まっている地域では、保育環境の整備や人材確保が困難になっているとし、子育て世代の定住に向けた積極的な支援を要望した。

岩手県では被災した学校施設の復旧が進み、2017年度末までに小・中学校は1校を除き復旧が完了。県立学校も移転新築が必要な学校の全てで校舎などの主要施設の整備が終わった。

同県が16年に実施した調査によれば、児童生徒のうち11.5%が教育的配慮を必要としており、東日本大震災から7年が過ぎた今、中長期的な視点に立った心のサポートを実施するため、SCとスクールソーシャルワーカーの配置拡充に向けた財政措置や、教職員の加配措置の継続を求めた。

12年度以降、大学入試センターの被災地臨時会場となっている同県立釜石高校、大船渡高校での実施についても、交通機関の復旧が遅れている状況や保護者・生徒の負担軽減の観点から、継続を要望した。

達増知事は「児童生徒の心のケアは、被災から数年たって、必要性が高まる場合がある。新しい課題として重要視している」と訴えた。水落副大臣は「児童生徒の心のケアは一番気にしている。SC、スクールソーシャルワーカーの配置事業は来年度以降もしっかりやっていきたい」と答えた。