「つくば科学教育マイスター」 国立環境研の一ノ瀬さんに

「つくば科学教育マイスター」に認定された一ノ瀬さん

茨城県つくば市はこのほど、市内の科学教育分野で功績があり、学校教育への貢献があった研究者を認定する「つくば科学教育マイスター」に、国立環境研究所上席研究員の一ノ瀬俊明さんを認定したと発表した。マイスター制度は、つくば市が科学万博30周年を記念して2015年度に創設した。これまでに5人を認定、一ノ瀬さんは「マイスター第6号」となる。

一ノ瀬さんの専門は都市環境システム。ヒートアイランド対策を立案し、日本だけでなくアジアの大都市でそれらを実用化すべく研究を進めている。研究内容をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いで、研究所内で講座を実施するほか、市内の小・中学校で出前授業を行っていることが評価され、今回の認定に至った。

小・中学校では「身近な熱の世界」をテーマに、赤外線の特徴や人体温熱感覚の仕組みなどを分かりやすく説明。地上15mの高所作業車から見える地表面の温度をサーモグラフィーで観察したり、赤外線放射温度計や気象観測機材などを用いて衣類の色と夏の健康リスクの関係を考えたりする実験を行っている。高校の地学や物理で学習する内容をベースとし、実物やイラストなどを用いて分かりやすく伝えている。

認定式では、認定書の交付やマイスターコート(白衣)、副賞が授与された後、実際に学校などで実施している赤外線カメラを利用した実験を披露した。認定を受け、一ノ瀬さんは「目には見えない赤外線の特性と、その応用の可能性を知ってほしい。これからも多くの子供たち、青少年の皆さんに科学の知識を紹介したい」と述べた。五十嵐立青(たつお)市長は「こういう体験型の学習を通じて、子供たちの気付きや好奇心を育成していけたら」とコメントした。