高校生の修学支援効果 学習意欲向上には発揮されず

高校の事務負担の大きさも課題

高校生への就学支援金・奨学給付金には、家計の負担軽減に効果がある一方、大学などへの進学希望者の増加や学習意欲の向上にはそれほど効果を発揮していない――。このほど、文科省が委託した高校の修学支援制度の効果に関する調査研究報告書で明らかとなった。これらの手続きに必要な申請書類の提出督促などの事務を、大半の高校が負担に感じている状況も分かった。高校生への修学支援制度の課題が浮き彫りとなり、より効果的な制度改善が求められる。

岩田弘三武蔵野大学教授らによる調査で、全国の高校を対象にアンケートを実施。国立・私立、定時制、通信制を含む3433校から回答を得た。

就学支援金の効果では、家計の負担軽減に効果があると答えた高校の割合が最も高く、88.6%だった。次に割合が高かったのは経済的理由による中退・長期欠席の予防・減少で43.4%だった。低所得世帯の生徒の学校選択の充実では、40.8%が効果があると答えた。公立よりも私立で効果があると答える割合が高かった。

一方で、▽高校卒業後の進学希望者の増加▽生徒のアルバイトの減少▽学習塾などの利用の上昇▽部活動参加率の上昇▽生徒の学業に取り組む姿勢の改善――の各項目で、効果があると答えたのは2割以下にとどまり、効果なしが上回っていた。

奨学給付金でも同様の傾向がみられた。

修学支援制度への意見では、高校の事務負担が大きいと答えた高校が、就学支援金で91.3%、奨学給付金で75.9%に上った。特に、申請書類を提出しなかった生徒に対する督促を行っている学校で、負担感が大きかった。また、保護者や生徒にとって制度が分かりにくいと答えた割合も、就学支援金で70.1%、奨学給付金で60.9%あった。