いじめの事実公表せず 東京・青梅の中1男子死亡

東京都青梅市教委の岡田芳典教育長は6月11日、2015年に起きた市立中学1年男子生徒(当時12)の転落死について、第三者委員会から「生徒に対するいじめがあった」とする報告書の提出を受けていたことを明らかにした。報告書は2月に出されたが、市教委はこれまでいじめ認定の事実を公表していなかった。

男子生徒は15年8月25日午後3時半ごろ、市内の多摩川河川敷で高さ約45メートルある橋のほぼ真下に倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡した。現場に争った形跡はなく、普段着姿で靴を履いたままだった。警視庁青梅署は橋の上から転落したとみて捜査したが、自殺を示す証拠は見つからなかった。

市教委は専門家による第三者委を設置。第三者委は18年2月、死亡の原因は「自殺である可能性は高い」とした上で、生徒が教科書やノートを隠されたり、悪口を言われたりするいじめを「何度か受けていた」とする報告書を提出していた。報告書には「いじめの共通理解の不足があった」という記載もあるという。いじめと転落死の因果関係については「結びつけるのは困難」としている。

市教委は「いじめの申告はなく、友人も多くいたと聞いているので、いじめによる自殺の可能性は低い」と判断し、報告書を受けた後もいじめと転落死の因果関係を否定していた。

市教委の対応について6月11日の市議会本会議で、市議が「生徒の死後に保護者がいじめ認定を訴えたのに重大事態と受け止めていないことに問題があるのではないか」と質問。岡田教育長は「生徒に対するいじめがあった」とする報告書の提出を受けていたことを明らかにし、遺族の了解を得た上で報告書を公開する考えを示した。

市教委はいじめ認定の事実を公表してこなかったことについて「報告書の中身は個人情報が多いため、遺族との調整が必要だった」と説明している。