人権教育白書を閣議決定 SNSの相談をアピール

子供に関する人権問題

政府は6月15日、人権教育に関する文科、法務両省の取り組みについてまとめた2018年版人権教育・啓発白書を閣議決定した。「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」第8条に基づき、01年度から毎年策定している。新たないじめ対策としてSNSによる相談体制の構築支援を取り上げた。

白書の第1章は、17年10月に法務省が実施した「人権擁護に関する世論調査」の結果をまとめた。それによると、人権侵害を経験したことがあると答えた割合は15.9%に上った。そのうち、学校でのいじめを挙げた人は21.1%おり、12年の前回調査と比べて3.4ポイント増えた。子供の間で起きている人権問題についての認識を質問したところ、▽いじめを受けること 66.9%▽虐待を受けること 62.6%▽いじめ、体罰や虐待を見て見ぬふりをすること 52.6%▽体罰を受けること 31.1%▽学校や就職先の選択などの子供の意見について、大人がその意見を無視すること 28.2%▽児童買春・児童ポルノ等の対象となること 28.2%――が挙がった。

白書は今日の人権課題に▽女性▽子供▽高齢者▽障害者▽同和問題▽インターネットによる人権侵害▽性的指向・性自認▽東日本大震災にともなう人権問題――など17項目を取り上げ、政府の取り組みを紹介した。

特に子供の人権課題については「子どもの人権110番」の強化週間、「子どもの人権SOSミニレター」の配布を実施したことに触れ、いじめを含む悩み相談にSNSを活用する相談体制の構築支援を新たに特記した。神奈川県座間市で起きた殺人・死体遺棄事件を踏まえ、17年12月にはフィルタリングの利用促進やインターネットリテラシーの向上を目的とした「あんしんネット 冬休み・新学期一斉緊急行動」の実施についても言及した。

東日本大震災に伴う人権問題では、シンポジウムの開催のほか、被災地の学校へのスクールカウンセラー派遣も盛り込んだ。