採点ミスで教員1231人の処分を検討 山形県

2018年1、3月実施の山形県立高校33校と同県立中学1校の入試で計253件の採点ミスがあった問題で、6月19日までに、▽過去2年で採点ミスは941件▽第三者委員会を開き、再発防止策を協議▽直接関わった教員は3年間で1231人▽県教委は8月上旬までに関係者の処分・指導を行う方針――などが分かった。教員の処分について同県教組は「今後の対応を検討する」としている。

2018年度入試で採点ミスが相次いだことを受け、県教委は過去2年分の答案用紙を再点検し、新たに941件の採点ミスが判明したと発表した。今回の調査分で生徒の合否に影響があるミスはなかったとしている。再調査した52校のうち、16年度は45校で510件、17年度は44校で429件と、大半の学校でミスが発覚した。

この結果を受け、県は6月6日、第1回第三者委を開いた。答案を複写して2系統で採点・照合することを明らかにした。第2回は22日に開き、再発防止策を引き続き協議する予定。吉村美栄子県知事は6月5日の記者会見で「第三者委は危機感を持ってしっかりスピーディーに取り組んでほしい。現場の教員にスピード感を持ってしっかり周知することが大事」と話した。

また、広瀬渉教育長は6月13日、採点ミスに関わった教員について「再発防止策をまとめ次第、時間を置かずに処分・指導を行う」とした。県は採点ミスをした可能性のある教員が1231人に上ると見ており、処分・指導の対象はこの人数に管理職を加える見通しだという。今後、聞き取りなどで精査し、8月上旬をめどに処分・指導を行う予定。1231人は県立中高の教員のほぼ半数にあたり、これほどの大規模処分は異例だという。

県教組は6月19日、取材に対し、▽採点日が実質2日間と短い▽3年生の期末試験が入試直前に設定され、入試当日や採点日にも期末試験の採点が重なった▽新たに設置された「探究科」「普通科探究コース」でミスが多発するなど、制度変更に現場が追い付かない――などを背景として教員の負担が過重であったと指摘。「ヒューマンエラーが起きないことなどあり得ない状況だった」と話した。他の東北5県では入試と採点時期が重ならないよう期末試験の日程を調整しているが、山形県では採点業務が集中していた。

加えて「現在の解答用紙の形式がミスを誘発したのでは」という声が少なくないことを受け、「年度末で多くの業務を抱える教員に負担をかけた」「本来の業務ではない入試の採点で業務命令もない中、時間外勤務で起きたミスについての処分・指導は適切ではない」などと強調した。さらに、「抜本的な改善策も示さず、個の責任とするのはいかがなものか」として、処分・指導に向けて今後の対応を検討するとしている。

採点ミスを巡っては、13年の大阪府立高入試における府の対応につき、高等学校教職員組合が声明を発表、「府教委の責任を不問にし、教職員に全責任を転嫁して処分を行うなどはあってはならない」などとしたが、府はミスのあった高校の教員らを訓戒や厳重注意などとし、処分者は計355人に上った。

14年の東京都立高入試において、都は教育長を減給5分の1(1カ月)、合否に影響があった高校長12人と教育監を戒告とした。また、ミスのあった高校の校長、副校長計331人と、都教委の管理職6人を文書訓告や口頭注意とした。