指導要録の大幅な簡素化を提唱 評価の負担軽減図る

教員の負担軽減の視点から現状の評価の問題点を議論した

観点別評価の指導要録への記載は本当に必要か――。中教審初中分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価に関するWG」の第5回会合が6月19日、開かれた。会合では、教育研究家の妹尾昌俊氏(弊紙特任解説委員)が、教員の負担軽減の観点から、指導要録の大幅な簡素化を提唱した。妹尾氏は「指導要録や通知表に費やす時間があるのなら、授業研究に充てるべきだ」と問題提起し、モデル校における実証研究を提案した。

妹尾氏はさまざまなデータから教員が担当する授業時数が多く、成績処理への負担感が大きいと指摘。「指導要録が何のために活用されているのか分からない」「観点別評価の分類が評価のための評価作業になっており、授業改善や子供の振り返りにつながらない」などの現場の声があるとして、現状の詳細な指導要録の在り方を疑問視した。

観点別評価はあくまで日々の授業改善や児童生徒への個別面談で活用・実践するようにし、指導要録や通知表、調査書に記載する必要はないとした。こうした指導要録の簡素化による影響について、モデル校による実証研究を提案した。

同氏は「子供のためとなると、教員はいくらでも働いてしまう。調査書や指導要録に一生懸命になるよりも、その時間を教材研究や研修に充てた方が授業改善にもつながる」と強調した。

WG主査の市川伸一東京大学大学院教授は議論を踏まえ、「評価が子供の学びに本当に役立っているか、評価方法を含めて、評価の実効性を見直す時期に来ている」と話した。