教頭が勤務時間改ざん 過少申告促すも、注意へ

福井県福井市立小学校の50代教頭が、30代教諭の出退勤記録を無断で改ざんした上、過少申告するよう促していたことが6月19日までに分かった。教頭は「もっと効率化すれば勤務時間を減らせるはずだと思った」と話しているという。

市教委によると、教諭は宿泊学習など行事の準備が忙しくなった5月に土日出勤した。同月の出退勤記録を「過労死ライン」と呼ばれる100時間(単月)以上の残業として申告したが、教頭はこれを無断で改ざんし、100時間以内に収めて市に報告。教頭は併せて過少申告を教諭に促していた。両者はそれまでに仕事量の調整を巡って複数回話し合ったという。

吉川雄二市教育長は「書き換えがあったことを大変遺憾に思う。正確に報告するよう各学校に改めて指導する」としている。市教委は正式な調査に入り、教頭に口頭で厳重注意する方針。

改ざんは6月15日に外部から市教委に情報提供があり発覚。校長が聞き取りをしたところ、教頭は事実関係を認め「もっと効率化すれば勤務時間を減らせるはずだと思った」と説明した。教諭は改ざんを知らず、「不満に感じている」という。市教委は再発防止のため、本人以外の第三者が勤務記録を書き換えられる現状を改める考えだ。

約800人以上いる市立学校の教員で、月100時間を超える勤務時間を提出する人は2~3人。市教委担当者は、教頭の改ざんについて「長時間労働の記録があっても、それを理由に学校を厳しく指導していることはない。なぜ書き換えたのか分からない」とした上で、「長時間になることが珍しいので、100時間以内に収めなければと思ったのではないか」と話した。

中教審「学校における働き方改革特別部会」委員の妹尾昌俊さん(本紙特任解説委員)は、国の勤務実態調査(16年実施)で時間外が月100時間以上と思われる教員が小学校で約17%、中学校で約40%いることを指摘した上で、「福井市だけが業務改善等が大幅に進んでいるとは考えにくいので、相当過少申告が見られるのではないか、と疑うほうが自然である」と述べた。改ざんの背景には、過少申告は本人が自分の判断でするケースと管理職の指示で本人に修正させるケースがあり、正確な出退勤管理が徹底されていない事情がある。「『残業100時間超えると、教育委員会から怒られる(指導される)から、過少申告する』といった忖度(そんたく)が学校現場に働いているとすれば、勤務時間管理の趣旨を全く踏まえておらず、大きな問題だ」と妹尾さんは話している。